そこは野生ザルの楽園だった

「淡路島モンキーセンター」は、島南東部の柏原山系に生息する野生ザルを昭和42(1967)年に餌付け、自然なかたちでニホンザルたちと触れ合える施設として開園したもの。入場料は大人税込700円となる。

「淡路島モンキーセンター」は柏原山に生息する野生ザルを餌付け、大阪大学観察所にもなっている

入り口から坂を上がっていくと左手には海(紀伊水道)が見える。餌場までは約5分の道だ

ここに集まってくる野生ザルの数は約300頭。朝9時頃になるとやってきて、17時30分頃にまた山へと帰っていく。ここのサルは他の地域のサルと比べ少し小柄で、性格がおとなしいのも特徴だ。

野生のサルと鹿が仲良く暮らす餌場では、サルたちのくつろいだ姿が見られる

受付から5分ほど坂を上がっていくと餌場に着く。まず目につくのは、くつろいだサルたちの姿だ。近くには鹿もいるが警戒する様子はなく、サル同士で毛づくろいをしたり、くっついて丸まっていたり。赤ちゃんを連れたお母さんザルの姿も、そこここで見られる。5月に生まれたばかりの子ザルは、取材時の8月はまだ掌サイズ。ちっちゃくて愛らしくて、見たらキュン死確実のかわいさだ。

ここのサルたちは他の地域のサルと比べやや小柄、性格も温厚だ。餌を上げる際は人間が小屋の中に入る

春に生まれたばかりの赤ちゃんザルもたくさんいる。大きさは掌大で実にキュート

鉄の棒につかまって遊ぶ子ザルの小さな手や足。水道のホースにつかまりチューチューしたり、お母さんに甘えたり。見ているだけで癒やされるし、一日中ここで見ていられる気になる。ちなみにサルたちに餌を上げる時は、人間が小屋の中に入る決まりだ。

毛づくろいをしあうサルたち、お腹を見せてくつろいだ様子

水道のホースにつかまりチューチューしたり

お母さんに甘えたり

とにかく猿たちは忙しい

モンキーセンターのお食事処「ちゃりこ」では、目の前の海で獲れたタコと淡路島産のタマネギをふんだんに使った2つの名物ご当地グルメ、「淡路島カレー」(1,100円)と「地ダコの天ぷら定食」(1,200円)が味わえる。天ぷらのタコはとってもやわらかく、タマネギは甘い。ここに来たらぜひ、味わいたい極上メニューだ。

「地タコの天ぷら定食」(税込1,200円)。天ぷらは目の前の海で獲れた地ダコは柔らかく、淡路島産のタマネギは甘い

なお、サルは野生のため、時期や日によりエサ場に来ない日もあり、9中旬から10月にかけてはほとんど見ることができないというが、その他は一年を通して野生ザルに出会える。詳しくはセンターのホームページで確認してほしい。

●information
淡路島モンキーセンター
住所: 兵庫県洲本市畑田組289
アクセス: 神戸淡路鳴門道「西淡三原IC」から約40分など
入場料: 大人(中学生以上)税込700円、子ども(4歳以上)税込350円

筆者プロフィール: 水津陽子

フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。