※2008/08/25掲載記事の再掲です

小麦粉、マヨネーズ、牛乳……と、庶民の食卓を直撃する食料品の高騰。スーパーのレジで「えっ!? これだけしか買っていないのに……」と、支払い金額に驚いた覚えはないだろうか。

食料品に限らず、日用品、衣料品と値上げ傾向にある今、スーパーやコンビニなどが手掛けるプライベートブランド(PB)の低価格が気になる。何故、この時代にこの価格が実現しているのか。その理由を探ってみた。

PBだからこそ実現する低価格

PBブランド『トップバリュ』を展開するイオン株式会社では、1994年にPB商品の開発、販売をスタート。2008年現在、食糧品をはじめ日用品から家電まで、約5,000品目のPB商品を手掛けている。

「私たちがPBにこだわるのは何よりも商品の品質です」(同社広報担当)

商品の質を落とせば、安く提供するのはそれほど難しいことではないだろう。だが、品質にこだわるイオンでは、ナショナルブランド(NB)と比べ、同等もしくはそれ以上の品質を守りながらNBの約3割抑えた価格を実現しているという。

「高品質、低価格の実現には、大きく分けると3つの仕組みがあります」(同広報)

イオンは、全国を網羅する物流網を自社で持っているため、商品は製造委託工場から各店舗まで直接届けられ、物流コストを最小限に抑えられていることが1つ目の仕組み。

2つ目の仕組みは、過去のデータを元にメーカー各社と24週先までの需要を予測し、その上で製造を依頼しているので無駄が少ないこと。3つ目は、NBを売り込むために、メーカーは広告を打つ必要があるが、PB商品は全て買い取りのため宣伝する必要がなく、広告費が削減できること。

この3つの仕組みが機能することで、商品が店頭に並ぶまでのコストが大きく削減され、高品質・低価格が実現しているのだ。

「メーカー」、「消費者」、「小売業者」のWin-Win-Winの関係

では、メーカーにとって自社商品の競合であるPB商品の製造を請け負うメリットはあるのだろうか。「PBは商品を全部買い取るので、メーカー様にとっては在庫を抱えないというメリットがあるのではないでしょうか」(同広報)。

「メーカー」、「消費者」、「小売業者」にとって、良い事ずくめのPB。「今後PBを更に拡大するためには、ブランド力を高める必要がある」(同広報)という。その抱負を伺った。

「『トップバリュ』商品にはメーカー名を記載していませんので、お客様は『トップバリュ』ブランドを信頼してご購入くださっています。私たちは、この信頼を守るためにも、これまで通り『品質』への取り組みを続けて行きます。また、それがブランド力を高める近道なのではないかと考えています」(同広報)

「安かろう、悪かろう」の時代は過ぎ、品質を見極める目を持った消費者が「良いものをより安く」購入する時代がきているようだ。

文●山田忍(エフスタイル)