嵐の二宮和也(34)らが25日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにて映画『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』(11月3日公開)の完成報告会見を行った。二宮のほか、西島秀俊(46)、綾野剛(35)、宮崎あおい(31)、西畑大吾(20)、滝田洋二郎監督(61)が出席した。

左から宮崎あおい、西島秀俊、綾野剛、滝田洋二郎監督

本作は秋元康が企画し、料理番組『料理の鉄人』(フジテレビ系・93~99)を手掛けた原作・田中経一氏、映画『永遠の0』(13)などで知られる脚本・林民夫、映画『おくりびと』(08)の滝田洋二郎監督によって映画化された作品。二宮演じる"絶対味覚=麒麟の舌"を持つ男・佐々木充が、70年前に天皇の料理番・山形直太朗(西島秀俊)が考案した幻のフルコースを再現するために、料理によって過去を巡る。

今回の撮影現場を「贅沢な時間」と表現する二宮。「本当に1日1日終わる時間が割りと早くて、家に帰って次の日のことを考えられた」と明かし、現代編で共演した綾野とはプライベートでも親交があることから、その和やかな雰囲気を作品に生かすことができたという。

綾野のことを「剛ちゃん」と呼びながら「綾野さん」と言い直し、綾野は「いいんじゃない?」と笑顔を見せて普段通りの距離感に促す。二宮は、現代編を観客にとっての「肩の力を抜くことができる場所」にしたかったと言い、「普段の感覚に近い感じ」を受け入れた滝田監督に「ありがたかったです」と感謝する。

「(綾野と)普段から飲んだり、他の作品やバラエティも含めていろいろな面を知っているので、それが出たシーンだったと思います」と二宮。「普段料理はしないんですけど、右利きの役なので右利きに直したりしましたけど、セリフを覚えるのと同じ感覚というか。普通にやらなきゃいけないことなので、それよりも空気感の方が大事かなと思いました」と振り返る。

これに綾野は「ニノとのシーンは彼とだからできる空気感。もちろん役を通してやらなきゃいけないこともあると思うんですけど、そういう小難しいことじゃなくて、今日までニノと過ごしてきた時間を存分に投下できた」と共感を示す。演じるのは、充の唯一無二の理解者で大衆中華料理店の雇われ店長・柳沢健。二宮と同じく「僕たちのたたずまいや発想に対してものすごく寛容に受けとめてくださいました」と滝田監督に感謝し、「ほとんどお芝居してなかったというか」「撮影と撮影の合間の休憩時間みたいな感じ」とその空気感を例えた。

最後に二宮は、「本当に空気の流れが良い映画。そういう現場の感じというのはやっぱり映画にも出てきますし、それが本当に伝わる作品になっていると思います」とコメント。「心が温かくなる映画だと思います。それをぜひ体感していただきたいです」と本作に込めた思いを伝えて、会見を締めくくった。