日本でマクラーレンの販売が好調だ。販売台数は2015年の90台が昨2016年には179台と倍増。好調の立役者となっているのは、同社としてはエントリーモデルの位置づけとなる「スポーツシリーズ」だ。このシリーズに今回、3つ目のボディタイプとしてコンバーチブルの新型車「570S Spider」(スパイダー)を導入する。

「570S Spider」

シリーズ初のコンバーチブル登場、スタイルが多彩に

日本では2015年に導入となったスポーツシリーズ。クーペの「570S Coupe」と実用性を高めたグランドツアラーの「570GT」に続き、シリーズに新たに追加となるのが、リトラクタブル・ハードトップを開閉することでオープンエアのドライブが楽しめるスパイダーだ。

屋根の開閉が可能なコンバーチブルはスポーツシリーズで初めて

スパイダーは3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力570PS、最大トルク600Nmを発揮する。ルーフはドライバーシートから電動操作できて、時速40キロ以下での走行時に15秒で開閉が可能だ。受注は始まっており、車両本体価格は税込みで2,898万8,000円からとなる。

時速100キロまでの加速は3.2秒、最高速度は時速328キロ

日本で販売台数が倍増、7割が新規客

マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本支社代表の正本嘉宏氏によれば、スポーツシリーズの特徴は「サーキットでの卓越したパフォーマンス」「マクラーレン史上最も快適で洗練されたオンロード性能」「日常での実用性」の3つ。2016年に日本におけるマクラーレンの販売台数が倍増した大きな理由が、このスポーツシリーズの存在だ。

スポーツシリーズの導入が日本事業に追い風となった(画像は「570S Coupe」)

正本氏によると、2015年の途中から日本に導入したスポーツシリーズが、2016年は通年で販売に貢献したのが台数倍増の要因。マクラーレンのエントリーモデルに位置づけられるスポーツシリーズだが、購入者の約7割が他ブランドからの乗換え客など新規ユーザーだったというから、新たな顧客層の開拓も進んだ模様だ。

「570GT」

日本で販売台数が倍増と言っても、それは90台が179台に増えただけとも言えるわけだが、正本氏はマクラーレンを「あくまでニッチプレイヤー」と表現し、「ドライビングプレジャーに徹底的にこだわり、そこを軸に車両を開発」していくことで、「いかにクルマを運転する楽しさを味わってもらえるかに徹底」するのが同社の在り方だと話す。