プロテニスプレイヤーの伊達公子選手が7日、東京・有明コロシアムで記者会見を開き、11日から行われる大会「ジャパンウイメンズオープンテニス」をもって現役を引退すると発表した。

現役引退会見を開いた伊達公子選手

伊達選手は「昨年の4月に膝の手術をして、今年の5月に岐阜で復帰戦を果たした後、自分の中ではグランドスラムの予選でもう一度プレーしたいという強い思いをもっていました。しかし、7月に3週間ほどアメリカ遠征に行った際、膝だけでなく肩の古傷が再び悪化してしまったことが、将来に対して少しずつ整理しなくてはいけないと考えるきっかけとなった。最終的な決断は8月上旬くらいに気持ちが固まりました」と語った。

ギリギリまで現役を続行する可能性を模索し、「引退」という現実を受け入れたくない気持ちもあった。しかし怪我によって十分な練習が出来ないことが、競技者としてコートを去る一番の要因となったという。

最後の試合を有明に決めたことについては「ファーストキャリアのラストはニューヨークだったこともあり、セレモニー的なことをしないで引退してしまった。それだけに再チャレンジの最後は東京で、という強い思いがあった」と、今まで自分を支え、応援してくれた人達の前で最後を迎えたいと明かした。

長年にわたって挑戦し続けることが出来た原動力について聞かれると、「やっぱりテニスが好き、スポーツが好き、それに尽きる」と笑顔で言い切った伊達選手。「90年代は常にいっぱいいっぱいの中で戦っていたけれど、再チャレンジ後はたとえ結果につながらなかったとしても、一つ一つのチャレンジが本当に楽しかった。だからこそ37歳から9年半も続けられたんだと思う」と振り返った。

また、現在の心境については「本当にまだ引退するという実感があるような、ないような複雑な気持ち。ただ、競技者としてテニスコートを去るというのは、本当に寂しいし、残念でならない」と無念さも見せつつも、「引退によって競技者でなくなっても、テニスに対する思いはこれからもずっと持ち続けるし、これからの人生もテニスの隣にいたいと思っている」と、これからもテニスとともに歩み続けるという。

常にチャレンジャーとして戦い続けてきた伊達選手だが、11日から行われる「ジャパンウイメンズオープンテニス」が現役として戦う最後の大会となる。WOWOWでは生中継を中心に連日放送。なお、伊達は大会第2日となる12日(火)に女子シングルスで出場を予定している。また、引退後初のテレビ生出演となる特別番組『生出演!伊達公子 引退スペシャル あなたの笑顔が大好きだった』が9月18日(19:00~)からWOWOWプライムにて放送される。