由緒ある湖尻温泉と姥子温泉の源泉を引湯

箱根温泉「はなをり」は別府温泉の「杉乃井ホテル」など、全国の著名ホテルを運営するオリックス不動産系列の宿なので、その運営は折り紙付き。夕食もバイキング形式ながら極力作り置きはせずに、できたての料理を提供している。

箱根温泉「はなをり」の夕食は、バイキング形式ながら洗練されている

温泉は箱根二十湯の湖尻温泉に加えて、箱根七湯と同等の歴史を誇る姥子温泉の源泉を引湯。褐色透明の色が付いており、温泉らしさを感じる湯だ。

温泉は褐色透明の温泉らしい湯

客室は種類が多いが、湖側の和洋室がオススメ。早めにチェックインして、湖上を行き交う海賊船を眺めていると、壮大な気分になり、漫画の主人公のように「海賊王になる!」と叫びたくなってしまう。大人でも童心に帰れるし、子供なら大喜び間違いない。

客室は湖側の和洋室がオススメ

●information
箱根温泉「はなをり」
住所: 神奈川県箱根町元箱根桃源台 160
アクセス: 箱根ロープウェイ桃源台駅下車徒歩2分。または、箱根海賊船桃源台港下船徒歩2分

黒たまごは塩なしでもイケる!

翌日、箱根温泉「はなをり」をチェックアウトしたら、ロープウェイ、ケーブルカー、登山鉄道で、箱根の残り半周を楽しもう。中でも、絶対押さえておきたいのが「大涌谷くろたまご館」だ。

大涌谷は箱根山の火口であり、源泉地帯。箱根の火山活動を体感できる

箱根ロープウェイ大涌谷駅を下車すると、周辺の火山活動を一望できる。まずは箱根の温泉の根源でもある、噴気を展望しよう。

大涌谷名物「黒たまご」(1袋5個入/税込500円)。座って食べるための卵型の椅子も多数ある

次に、名物の「黒たまご」を購入。)いわゆる温泉卵だが、黒い色が箱根の特徴で、1個食べることで7年寿命が延びるとされている。遊歩道奥の黒たまご生産場まで以前は散策できたが、今は火山活動が活発なので遊歩道は閉鎖されている。しかし、逆に言えば、活発な火山活動は今しか見られない景色だ。

「黒たまご」は添付の塩を使わなくてもうまい!

「黒たまご」には少量の食塩も添付されているが、まずはそのまま食べてみよう。黒く色付いた玉子の殻から硫黄の香りがして、香ばしい風味を演出してくれるので、塩がなくても実にうまい。箱根の温泉や火山活動に直接関連したグルメとして、その土地の空気感とともに味わっておきたい。

●information
大涌谷くろたまご館
住所: 神奈川県箱根町仙石原1251
アクセス: 箱根ロープウェイ大涌谷駅下車徒歩2分

神奈川県を代表する名湯、箱根温泉の魅力、いかがだっただろうか。今回は頻繁に紹介される箱根登山鉄道沿線はあえて割愛したが、鉄道沿線も含めて四季折々に訪れたい温泉地だ。今回のルートは車でも行けるが、箱根では海賊船やロープウェイなど、普段利用しない交通機関を利用する楽しみも大きいので、箱根フリーパスを使用して公共交通機関の乗り放題も楽しみたい。フリーパスを利用すると、強羅公園が無料で利用できるなど、各種の特典もある。

筆者プロフィール: 藤田聡

温泉研究家、オールアバウト「温泉」「紅葉スポット」ガイド。温泉旅行検定試験で2年連続日本一になり、検定協会から「温泉旅行博士」の称号を授与される。温泉地を中心に周辺観光地の取材・撮影を行い、海外旅行にも決して負けない、国内旅行の奥深い魅力をメディアで発信中。紅葉や一本桜、夜景や四季の花などの絶景スポットにも精通している。