軽が売れるのはホンダにとってジレンマ?

N-BOXはホンダの国内販売の約3割を占める人気シリーズに成長したが、「NSX」や「シビック」といったクルマを手掛けるホンダのイメージが、「軽とミニバンのホンダ」という風に変化していくことに懸念はないのだろうか。発表会の質疑応答では、このジレンマについて報道陣から質問が出た。

この質問に対し寺谷氏は、「シビックのようなスポーティーなブランドイメージと、『N』シリーズのように生活を豊かにする方向性があるが、これをどのように一体化し、ホンダブランドを作っていくかがテーマだ。これはジレンマではなく、ホンダブランドを、全てを包含するいいブランドとして作っていくのが重要な課題だ」と応じた。

左から白土氏、寺谷氏、ホンダ執行役員で日本本部営業企画部長の鈴木麻子氏、「N」シリーズのブランディングを監修するクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏

Nシリーズの累計販売台数は112万台に達するというから、その乗り換え需要を考えても、N-BOXの販売は引き続き好調に推移しそうな感じがする。あとは、走りや操縦性に特徴のある“ホンダらしい”クルマが、Nシリーズ同様に存在感を発揮できるかどうかが、ホンダブランドの今後を考える上で重要なテーマになる、ということなのだろう。