中耳炎の主な症状には「耳の痛み」と耳から膿などが出る「耳垂れ」がある。中耳炎のくり返しで耳の中に膿が溜まったり、炎症が悪化して鼓膜に穴が開いたりしてしまうケースもあるそうで、この段階になると「耳が聞こえにくい」などの症状も出てきてしまう。

中耳炎よりもさらに奥にある内耳の部分が炎症を起こす「内耳炎」という病気もある。内耳炎は「体のバランスのセンサー」と「聞こえるセンサー」の両方に影響を与えるので、それによって平衡感覚に支障をきたすこともあるとのこと。

急性中耳炎とは異なる慢性中耳炎にも注意

大人の中耳炎は軽症であれば、自覚症状がほとんどないケースもあり、何もせずとも自然治癒することもある。だが、放置したことで菌が内耳にまで拡大すれば、内耳炎の原因となる恐れがある。さらに髄膜にまで及べば髄膜炎を発症する恐れもあるという。内耳炎は頭痛や難聴などの症状を招き、髄膜炎はひどい頭痛や倦怠感、重症化すると意識障害などの致命的な症状となる可能性もあるので要注意だ。

「自覚症状が出ていても、忙しくて放置してしまう人もいると思います。しかし、放置したせいで入院することになったり、合併症を引き起こしたりすることもあります。少しでも不安なことがあれば、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう」

航空性中耳炎などの突発的なものは急性中耳炎に分類されるが、炎症が悪化して鼓膜に穴が開いている状態を慢性中耳炎と呼ぶ。慢性中耳炎になると、耳の聞こえが悪くなったり、耳だれが続いたりといった症状が出る。

特に幼少期から中耳炎を何度もくり返していたという人は、慢性中耳炎である可能性があるとのこと。慢性中耳炎は痛みを伴わないことが多く、本人が全然気づかないまま症状が進行している事例もある。悪化させないためにも、心当たりがあれば早めに耳鼻咽喉科を受診した方が吉と言えそうだ。