続いて屋外展示に行くと、旧ソ連諸国で活躍した車両がずらりと並んでいた。広軌(軌間1,520mm)の車両だけに迫力を感じる。おもな展示車両を写真で紹介したい。

ディーゼル機関車TEP60-1206号機

この迫力満点の赤いディーゼル機関車はTEP60-1206号機。TEP60は旅客用の機関車として、1960~1985年にかけて計1,241両が製造され、おもにソビエト連邦の主要路線で使われた。TEP60-1206号機自体は1984年から1995年まで活躍した。

ディーゼル機関車TE3-7593号機

こちらのスマートな機関車はTE3-7593号機だ。TE3は1953年から約20年間にわたり、計1万3,595両が製造されたというロングセラーのディーゼル機関車。蒸気機関車を置き換えるべくソビエト連邦の主要幹線に導入され、1990年代まで活躍した。

いまも旧ソ連諸国で活躍する電車ER2。初期の車両が展示されている

旧ソ連諸国を訪れたことがある人ならおなじみの電車、ER2も展示されている。ラトビアのRVRでは1962年から1984年まで製造された。この間、ER2はモデルチェンジも行っており、写真のような卵型の電車は初期の車両にあたる。いまでも旧ソ連諸国に行くと、重々しい吊掛けモーターを響かせながら走るER2を見かけることがある。ただし、この卵型のER2はめっきり減ったように感じる。

20世紀初頭に製造された囚人用客車

ラトビア鉄道歴史博物館には変わり種の車両も展示されている。それがこの「囚人用客車」。一見、普通の客車と変わらないように見える。しかし、窓をよく観察すると、鉄格子になっていることがわかる。囚人用客車は20世紀初頭にロシアで製造され、その名の通り、おもに囚人を移動させるために使われた。

ただし、旧ソ連時代に行われた強制移住は貨車を使用していたという。どの時点で囚人用客車から貨車に変更されたか、興味深いところである。

RVRのパネル

館内にはRVRが製造した車両を年代別に詳細に解説したパネルもあった。英語表記もあるので、旧ソ連型車両に興味がある人はチェックしてみるといいかもしれない。

ラトビア鉄道歴史博物館への行き方は?

最後にラトビア鉄道歴史博物館へのアクセスを紹介したい。日本からラトビアへ行くならフィンランド航空が便利だ。成田空港からヘルシンキ乗換えで約13時間30分でリーガに着く。フィンランド航空は中部国際空港・関西国際空港・福岡空港からも就航している。

リーガ市内を走る路面電車

ラトビア鉄道歴史博物館はリーガの旧市街から徒歩で約15分、ダウガヴァ川を渡ったところにある。路面電車だと国立図書館(Nacionālā bibliotēka)電停からすぐ。国立図書館電停には1・2・4・5・10系統が停車する。