トヨタ自動車は10日、ミッドサイズセダン「カムリ」をフルモデルチェンジして発売した。同社が取り組むクルマづくりの構造改革「TNGA(Toyota New Global Architecture)」にもとづき、プラットフォームやユニット、電子系など全部品をゼロから開発し、エモーショナルで美しいデザインや意のままの走り、上質な乗り味を実現している。

新型「カムリ」の発売に合わせ、7月10日に発表会も行われた

新型「カムリ」はデザインにおいて、エンジンおよび乗員レイアウトを下げることで低重心シルエットを実現。低重心でワイドなスタンスを強調したフロントは、3層に重なったLEDクリアランスランプ「Bi-Beam LEDヘッドランプ」によって横方向への広がりと奥行きのある高い質感を表現している。サイドも低く構えたフードとフェンダー、低いベルトラインによって低重心感を表現し、リヤはショルダーを張り出した安定感のある造形に、ライン発光が印象的なLEDランプでワイド感と上質感を追求した。

インテリアは部品の小型化やレイアウトの見直しによってインストルメントパネルの厚みを抑えたほか、エンジンフード・カウル・ベルトラインを下げて視界を良くするなど、新しいパッケージによるスポーティかつ広がり感のある空間としている。各種ディスプレイの相互リンクによる情報表示により、ドライバーの操作動線と視線移動を最適化することで、運転に集中できるコックピットも実現したという。

新開発のプラットフォームは、重量バランスや車両安定性の向上によって上質な乗り味を実現。重心高を下げることで、横揺れの少ない乗り心地と安定した高速走行も実現している。高トルク化による振動や静粛性に対応するため、液体封入式のエンジンマウントを4点すべてに採用。サスペンションは、フロントに新開発のマクファーソンストラット式、リヤにダブルウィッシュボーン式を採用している。

ボディの骨格部に「環状骨格構造」を採用し、ボディのねじれ現象を抑制して優れた操縦安定性を実現。骨格の接合部に先進の溶接技術「レーザースクリューウェルディング」や「構造用接着剤」を使用し、剛性も強化された。パワートレーンは最大熱効率41%と高出力を両立したTNGA新エンジン「ダイナミックフォースエンジン2.5」とハイブリッドシステム「THS II」を組み合わせ、33.4km/リットルの低燃費と優れた動力性能を両立した。

予防安全装備として、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備するとともに、後退時の死角に左右後方から接近してくる車両を検知し自動的にブレーキ制御を行う「リヤクロストラフィックオートブレーキ」機能も採用(トヨタブランド初採用)した。新型「カムリ」の価格は329万4,000~419万5,800円(税込)。

新型「カムリ」外観・車内イメージ