そろそろ夏休み。今年の夏はどこに行こうかと迷っているなら、東京アイランドのひとつ、神津島に出掛けてみてはどうだろうか。古来より神々が集う島として名を馳せてきた神津島だが、実はここ、海と山に多くのSNS映え必至の絶景&パワースポットを有す。もちろん、新鮮な海の幸などのグルメも充実。今回は、そんな神津島の知られざる魅力をたっぷり紹介しよう。

島の北側にある「赤崎遊歩道」は夏は海水浴場、絶景スポットとして島随一の人気を誇る。夕日の名所としても知られる(画像提供: 神津島村)

東京の島・神津島で目くるめく海と山の絶景

東京に11ある島(東京アイランド)のひとつ、神津島は東京の南約180kmの洋上にあり、周囲約33.3km、伊豆七島のひとつに数えられる。正式名称は神津島村。ご存じない人もいるかもしれないが、れっきとした東京都の自治体のひとつだ。

島の西側に広がる白砂の前浜海岸は神津島港から南に約1kmに渡り続く(画像提供: 神津島村)

島はその昔、事代主命(コトシロヌシノカミ)という神さまが伊豆の島々をつくるため集まった場所とされ、昔は「神集島」と書いたという。島中央にそびえる新東京百景のひとつ、標高572mの天上山には、神々が水の分配の会議を開いたという水配り伝説も残る。

島には美しい白砂の海岸や多くの奇岩絶景が点在。花の百名山にも数えられる天上山頂は、遮ぎるもののない360度の展望や表砂漠や裏砂漠などの奇勝、そして、希少植物などと見所が満載だ。また、海山とも湧水や寺社などのパワースポットも、数多く見られる。

東京からはジェット船で約3時間40分、空路なら調布飛行場から約40分。民宿や旅館、ペンションなどリーズナブルな宿泊施設が40カ所以上もあり、リゾート感満載の島旅が手近に楽しめる。まずは海の絶景から紹介しよう。

東に多幸湾、西に前浜、日の出と夕日の名所あり

島内には東に多幸湾、西に前浜という美しい海岸線が広がっており、島の東側では日の出、西側では海に沈む美しい夕日を楽しむことができる。また、島は東に三浦漁港、西に前浜港という2つの港があり、他の島しょに比べ、比較的欠航率が低く抑えられている。約1kmに渡り白砂が続く前浜海岸は、民宿や商店などが集積する村の中心部に近く、島内にある5つの海水浴場の中でも、宿から歩いていける海水浴場として親しまれている。

島の東側に広がる多幸湾。「多幸湾展望台」からの眺めで(画像提供: 神津島村)

多幸湾から見る天上山の姿(画像提供: 神津島村)

一方、多幸湾は島の西側とはまた異なる天上山の断崖絶壁、奥に張り出す半島には黒曜石が露出する砂糠崎(さぬかざき)、海に浮かぶ丸島と呼ばれる小島など、独特の景観を生み出す。青々した松に囲まれた多幸湾展望台からは、この絶景が一望できる。

夏、三浦漁港には漁船だけでなく、ヨットやクルーザーも数多く停泊しており、リゾート感満載。湾に下りれば、東京の名湧水57選にも選ばれた多幸湧水、近くには都立多幸湾公園ファミリーキャンプ場もある。

都立多幸湾公園ファミリーキャンプ場には、ちょっとアスレチックっぽい遊具も

飛び込み台から美しい海にダイブ!

また夏、島で人気No.1のビーチと言えば、北西部にある全長500mの木造遊歩道「赤崎遊歩道」だろう。ここにはつり橋や展望台、飛び込み台などもあり、海水浴以外にもシュノーケリングが楽しめる。

シュノーケリング(画像提供: 神津島村)

このほか島内には、ダイビング、サーフィン、釣りなど海のレジャースポット、絶景を眺められる展望台がそこここにあり、サッカーができる運動場、木を多用した図書館などの施設も充実している。島西側の海岸線ではメッポー山と呼ばれる大岩、ぶっとうし岩やうずまき岩などの奇岩が随所に見られる。

ダイビング(画像提供: 神津島村)

夕日もまたいい

めいし海岸

神津島港

さて、海の絶景の後は神津島のもうひとつの魅力、山の絶景を紹介したい。神津島の中央にそびえる天上山山頂では、遮るものがない360度の眺望を楽しめる天空の丘などの展望地のほか、白砂が堆積する表砂漠や裏砂漠など、他に見ないユニークな山頂ウォークが楽しめる。