上田と志田に、自身の出演作に関わらず、タイで見てもらいたい日本のドラマを挙げてもらうと、上田は「小学生の時に観たKinki Kidsさんの『未満都市』」を選んだ。『ぼくらの勇気 未満都市』は、1997年に日テレ系で放送され、7月21日(21:00~)にKinki Kidsデビュー20周年を記念して20年ぶりにスペシャルドラマとして復活することが決定している。

一方の志田は「日本のドラマはコメディにもシリアスな作品にも、メッセージ性があり、明日への活量になるものが多いです。ひとつ挙げるとすると、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)です。夢中になって見ていました。"恋ダンス"はタイの方も好きになってもらえそう」と答えた。

イベントでは、集まった観客に日本の最新ドラマ全21作品を紹介。ここでは、嵐・相場雅紀主演の『貴族探偵』(フジテレビ系)や、KAT-TUN・中丸雄一主演の『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)のダイジェスト映像を前に黄色い歓声があがり、ジャニーズファンの支持を集める作品中心に盛り上がった。そんな中、志田がオススメしたいドラマにも挙げた『逃げ恥』に反響が集まったのも印象的で、主演の新垣結衣と星野源がやりとりする場面が流れると、「キャー!」という声が聞こえてきた。

タイにおいて『逃げ恥』は正式にライセンス契約されておらず、まだ放送には至っていない状況だが、日本での話題を受けて、注目されていることが分かった。日本のドラマをプロモーションするこのイベントはタイだけでなく、ベトナムでも昨年12月に開催されており、その際も現地で放送されていないのにもかかわらず、『逃げ恥』のダイジェスト映像に歓声があがったという。

ちなみに、現時点で『逃げ恥』が放送・配信されているのは、台湾、韓国、香港・マカオ、シンガポール、モンゴルと広がっている。日本語放送でハワイや北米、機内上映などでも視聴可能だ。

今回の主催する「国際ドラマフェスティバル in Tokyo 実行委員会」の話によると、「ここ10年は韓流ブームに押されてアジアにおける日本のエンタテイメント人気が落ち込んだが、ここにきて日本が巻き返しを図りつつある」という。2010年度は66億円程度だった放送コンテンツの海外輸出額は、2015年度には288億円に拡大し、2016年度は韓国の320億円を上回る勢いだ。

「明日への手紙」を歌う手嶌葵

また、在タイ日本国大使館の小林茂紀広報文化部長は「タイから日本への観光客は今年100万人を超える見込みで伸びている。日本語を学ぶ学生は15万人に拡大し、日本への留学生は3,800人に急増している。タイにおける日本のレストラン2,800件を数え、タイでの日本ブームは勢いを増している」と話す。

こうした追い風のなかで、ドラマだけでなく、アニメ、映画、音楽も含めた日本のエンタテイメントを紹介する活動を継続し、効果を狙っていく方針。1日限りのこのイベントでは、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジ系)の主題歌「明日への手紙」を歌った手嶌葵や、シンガーソングライター・Reiのライブ、パフォーマンス集団・enraによるオープニングアクトなども行われ、タイ側からもゲストが登場して、日タイの交流が続いた。

ダイジェスト映像が流れた日本のドラマ一覧

●NHK
『スニッファー 嗅覚捜査官』『おんな城主 直虎』『4号警備』

●日本テレビ
『レンタル救世主』『視覚探偵 日暮旅人』『フランケンシュタインの恋』『東京タラレバ娘』

●テレビ朝日
『女囚セブン』『緊急取調室』『奪い愛、冬』

●TBS
『カルテット』『A LIFE~愛しき人~』『逃げるは恥だが役に立つ』

●テレビ東京
『SRサイタマのラッパー~マイクの細道~』『マッサージ探偵ジョー』『孤独のグルメSeason6』

●フジテレビ
『貴族探偵』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『人は見た目が100パーセント』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』

●BSスカパー!
『弱虫ペダル』