――最初に7話で仁さんが出た時に、すごくヤセたイメージをもちました。

谷口:そういった意味でいうと、自分が出る・出ないにかかわらず、season2があるという話は聞いていたので、髪の毛は一回も切らずにいたんですよ。season1が終わってからメッシュもそのままにして。ちょうど仕事も空いたので、『じゃあ本当に鷹山仁の生活をしたらどうなるんだろう』と思って、タンパク質をメインにとりながら実践していました。だから撮影に入った当時は体脂肪が7%くらい。今は全然ダメですけど(笑)。

――撮影をされていて、それぞれseason1・2を通して印象的だったシーンを挙げるとしたら?

東:season1で一番印象的だったシーンは、ラストです。あそこからseason2に向けて新たに始まった感じがするので、そこはつながっていますよね。印象に残っているし、season2にもすごく影響するものだと思っています。season2は……言えない(笑)。

谷口:season1は、部屋の中で七羽さんが料理する後ろ姿をすごく覚えています。あの家がなくなっちゃうんですよね、僕のせいで(笑)。本当に原っぱで寝るんですよ、ひどい男じゃないですか。本当にクズなんですよ(笑)。でもそれでも七羽さんは砂利の上で鍋をかけて待っててくれるような最高の女なんです。

season1はきれいな部屋ではなかったですけど、振り返ってみて家があるってやっぱり幸せだなって(笑)。「仁、ご飯できたよ」っていうシーンが、そこだけ僕は仮面ライダーじゃない。そういうところが好きでしたね。

――そんな2人にハードな展開が待つわけですよね。

谷口:僕たち二度と会えなくなるんですよ。そもそも目が見えなくなっているので、七羽さんのことを見ることもかなわない姿になっているし、自分の息子も見えないんです。その七羽さんと最後に別れるシーンが実はあって、それって別れのシーンに見えないシーンなんですけど、実はそれを境に一生僕らは会えなくなる。それにお互い気づきながら、そう思いながら撮影しているのがツラかったですね。なにか谷口賢志の一部を持っていかれている感じもしました。そのシーンでは、僕は一生忘れられない感情を得られたなと思っています。

でもそのあとが本当に嫌なんですよ。本当に嫌なの。仁というキャラクターもそうですし、僕もですし、なんでこんなことしなきゃいけないんだろうって。ヒドいんですよ。まあでもしょうがないな……って。でも『仮面ライダーアマゾンズ』として、一番高いところというか、キツいところを乗り越えないと意味がないという意味で言うと、僕たちはとんでもないキツいところにいかされましたし、だからこそ楽しかったのかなと思います。