フジテレビの宮内正喜次期社長が16日、東京・台場の同局本社で会見を行い、「私に課せられている使命は現在の低迷している業績を上げる。この一点に尽きる」と決意を語った。

フジテレビ次期社長の宮内正喜氏

宮内氏は、その目的達成のために、「変えることによって変わっていく」をキーワードに設定。退任する亀山千広・現社長は「まずドラマで話題を呼び、バラエティで視聴習慣を付け、報道で信頼を得る」という復活への道を掲げていたが、宮内氏は「その前にやることがあるのではないか。やはり会社の雰囲気、社員の士気を上げることが第一。クリエイティブの現場の人たちが働きやすい環境を作るということを第一優先して手をつけるべきではないか。その後で、タイムテーブル、企画、番組等を検討していくという順番になる」との方針を示した。

そのために7月1日付で、現在21局3室の組織体制を、14局4室へと大きくスリム化。特に、編成局には、現在の制作局・映画事業局・広報局を統合させることになっており、「テレビ局はコンテンツが命ですので、命令系統をトップから各ジャンルの番組制作、映画製作に至るまで一本化する形がベスト」と狙いを語った。

この大幅な組織改革について、宮内氏は「(旧社屋の)河田町時代のフジテレビで編成も制作にも勤務しておりましたが、やはり(中心セクションが1フロアに集約していた)"大部屋時代"のあの活気、コミュニケーションの良さをもう1回ここで復活をすれば、必ずや番組企画、映画製作に関しても活気がわき、いい企画が生まれてくるんじゃないか」と説明している。

また、同局に対しては、会長を退任して相談役に就く日枝久氏が、30年間にわたってトップを務めてきたことの弊害を指摘する声もあるが、宮内氏は「私は昭和55年に日枝編成局長が誕生した時に編成部にいました。その時からフジテレビは第1期の三冠王を歩んだわけですが、その時代から秘書室、社長秘書等歴任して、私が考える限りは、番組企画であるとかそういう部分で(日枝氏に)忖度(そんたく)をしなければいけないという事例を感じたことはございません」と、きっぱり否定した。

宮内氏は、1967年にフジテレビに入社し、編成制作局長、常務、専務、岡山放送社長などをへて、現在はBSフジの社長を務めており、今月28日の株主総会をへてフジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングスの社長に就任予定。現在のフジテレビ亀山千広社長は、宮内氏と入れ替わる形で、BSフジの社長に就任する。