各年代は何にお金がかかっている?

さて、各年代ではどのようなことにお金がかかっているのでしょうか。20代では、まだ所得がさほど多くないため、一人暮らしだと生活費だけで精いっぱいということも。一方、独身で実家暮らしの場合、自分のために使えるお金が多く貯蓄も充分にできます。20代で結婚をした場合は、その費用に最もお金がかかることが多いようです。

30代は、結婚して子どもが産まれるなど、生活に変化が生じる年代です。家を購入すれば、住宅ローンの負担もかかりますし、子どもの教育費を準備する必要もあります。また、共働き家庭の場合、子どもが生まれて妻が時短勤務になるなど、収入が減るのに保育料など子育て関連の費用がかかるといった事態も考えられます。

40代になると、住宅ローンに加えて教育費もかさむようになり、最も出費の多い時期に突入します。あわせて自分たちの老後の費用もそろそろ準備を……となると、なかなか厳しい家計状況になることも多いでしょう。

50代では、子育てがひと段落し、比較的余裕ができる年代ですが、子どもが卒業するまでは教育費の負担がかかりますし、60代になる前に住宅ローンを返済するとなると、50代が正念場です。また、老後の設計も真剣に考える時期。老後資金の準備に本格的に取り組むようになります。

ライフステージによってお金の使い道は変わっていきますが、どのような年代でも、コツコツと貯蓄をして備えておくことの意義は大きいと言えるでしょう。

計画的にお金を貯めるには

老後資金、教育資金など目的のある貯蓄だけでなく、現時点では明確な使い道が決まっていないとしても、いざという時に備えるお金は必要です。貯金を全くしていないなら、すぐにでも行動に移したいところです。一人暮らしは手取りの2割、夫婦共働き家庭なら毎月2~3割、独身で実家暮らしの場合は4割を貯蓄の目標にしてみましょう。ただし、出費が多い時期は無理しない程度に調整してください。金額は少なくても継続してお金を貯めていくことが大切です。

そして、毎月計画的にお金を貯めていくためには、給料が振り込まれたら天引きで貯蓄分を別口座に振り分ける「先取り貯蓄」が基本となります。勤め先の「財形貯蓄制度」や金融機関の「自動積立定期預金」を利用し、勝手にお金が貯まっていく仕組みを取り入れてみましょう。残りのお金でやりくりする習慣をつければ、これまで貯蓄できなかった人でも、さほど苦労せずに貯められるはずです。

同年代の貯蓄額を知ると、自分の家庭と比べて「もっと貯金を頑張らないと」と思ってしまうことがあるかもしれません。しかし、お金はたくさん貯めていればいいわけではなく、使い方が大切です。まずは、自分や家族のライフプランを確認し、貯蓄に関して目標を立ててみましょう。

筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。

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