厚生労働省は5月23日、ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)の結果を発表した。それによると、2017年1月時点に確認されたホームレスの人数は前年比701人(11.2%)減の5,534人となり、2003年の調査開始以来、初めて6,000人を下回り過去最小となった。
ホームレスが最も多いのは東京都
同省は「様々な要因が考えられるが、ホームレス特措法(ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法)や2015年に施行された困窮者法(生活困窮者自立支援法)の効果もあるかと考えている」と話している。
ホームレスの内訳は、男性5,168人、女性196人、不明(目視による調査のため防寒具を着込んだ状態などにより性別が確認できない人)170人と、男性が約9割を占めた。ホームレスが確認された自治体は308市区町村(前年328市区町村)で、前年より20市区町村(6.1%)減少した。
各都道府県の状況をみると、青森県、秋田県、山形県、奈良県、島根県を除く42都道府県でホームレスを確認。ホームレス数が最も多かったのは東京都の1,397人で、次いで大阪府の1,303人、神奈川県の1,061人と続いた。なお、東京都23区及び指定都市で全国のホームレス数の約4分の3を占めた。
ホームレスが確認された場所は、「都市公園」が23.0%、「河川」が31.1%、「道路」が18.0%、「駅舎」が4.2%、「その他施設」が23.8%と、前年から大きな変化はみられなかった。
調査時期は2017年1月、全国の市区町村による巡回での目視調査にて実施。なお、福島県の5町村(富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、飯舘村)は震災の影響で調査を実施していない。