子育ては大変だけど、とてもやりがいのあるもの。何よりも、子どもの成長を間近で見守れる喜びは何ものにも代え難い。そう理解はしているものの、「なぜ私だけこんなに大変なの?」「自分の好きなことをする時間が欲しい!」と感じることは、大いにあると思う。
今回は、子どもを持つ女性マイナビニュース会員300名に、「母親には『自由がない』と感じる瞬間はあるか」を聞いてみた。
Q.母親には「自由がない!」と感じる瞬間はありますか?
はい 79.7%
いいえ 20.3%
Q.(「はい」と答えた方にお聞きします)どのような時に自由がないと感じますか?
「時間や行動が制約される」
・「育児、家事、仕事で時間がない。学生時代の友達とも疎遠になる」(43歳/東京都/生命保険・損害保険/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「24時間ずっと子どもと一緒にいるので、自分のしたいことが一切できないから。趣味の本を読んでいる時、自由がないと感じる」(29歳/大阪府/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「簡単に外出できない。子どもが寝るまで横になれず、仕事が終わってから22時頃まで一息つけない」(28歳/沖縄県/農業協同組合/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもの人見知りが始まり、私でないと泣き止まないので美容院にも行けない時」(32歳/埼玉県/官公庁/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子育てと家事、家計のためにパートに行って、休みの日でもご飯は作らないといけないし、自由がないと感じます」(38歳/福島県/食品/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「自分がやりたいことができなかったり、やろうとしたときに邪魔されたりした時」(47歳/千葉県/コンビニエンスストア/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「夫は気兼ねなくお酒を飲みに出られるが、私はそうではない」(27歳/埼玉県/宝飾品・貴金属/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「美容院、病院など、自分のための時間を作ることが大変です。買い物も子どもと一緒では、思うように進みません」(38歳/大阪府/食品/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「ヒールを履いてオシャレな服を着る機会がないので、街中でショーウィンドウやおしゃれな人を見た時」(29歳/千葉県/教育/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「天気とか子どもの体調によって、好きなところに出掛けられない時。授乳は他の人に代わってもらえないので」(35歳/愛知県/繊維 事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「育児と家事をしている間に1日が終わってしまい、予定していたことができなかった時。やりたいことは、夜に寝る時間を削ってすることになる。また、育児に疲れていて仮眠したい時でも、できないことが多い。授乳の合間しか用事に出られないし、外出中でも赤ちゃんが泣けば慌てて帰らないといけない。冠婚葬祭も赤ちゃんを連れていけないので、キャンセルしたことがあった」(30歳/富山県/サービス/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「例えばご飯を食べる時。子どもが4人いるので、次々おかわり攻撃! 家事を終えてコーヒータイム……に限って、お茶をこぼすなど、何かやらかす。一応付け加えるけど、それが嫌なわけではない」(36歳/滋賀県/ドラッグストア・調剤薬局/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
・「仕事から帰ってきても、ご飯や洗濯、後片付けと、寝る間際まで自分の時間がない」(35歳/愛媛県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもから離れる時間がないから。1人の時間が取れていないと感じる時は、やはり自由がないなぁと感じる」(33歳/富山県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「特に子どもが小さい時はママじゃなきゃダメということが多く、家事・育児をするので精一杯で、くつろぐ暇がない」(34歳/東京都/化粧品・医薬品/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「いつも子どもの世話ばかりしていて、『お母さん』と何度も呼ばれた時」(38歳/東京都/化粧品・医薬品/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
「周囲が非協力的/全て1人でやらなければならない」
・「夫は、職場の飲み会や友達との遊びに、当たり前のように参加する。夫は1人で子どもを見てくれないので、実家の母に頼むなどの調整を考えると、出掛けようと思わない」(43歳/愛知県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「家事・育児がワンオペレーションで、子どもといる時間は子どもから構ってほしいと言われるため、家事がまったく進まない時」(32歳/千葉県/冠婚葬祭/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「四六時中子どもと一緒にいるのに、夫は休みに何もしてくれなかった時。昔はよくありました」(29歳/岡山県/専門店/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「仕事が休みの日、夫は『休みなんだから』と夜更かししたり昼まで寝ていたりする中、早起きして家事をしなければならない時」(46歳/岡山県/医療・福祉・介護サービス/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
・「母だから我慢する、女だから当たり前のことと、働いていて拘束時間が男性と同等なのに、社会全体で抑圧されていると感じる時」(43歳/神奈川県/繊維・アパレル/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「夫が自由に動いているのを見たり感じたりする時。子どもと一緒にいるのが母親だけとは限らないのでは? と思う」(44歳/福島県/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連/個人事業主・会社役員)
・「旦那さんと比べた時」(49歳/愛知県/インテリア・住宅関連/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「夫婦共にフルタイムの正社員ですが、保育園からの呼び出し対応は母親、病院通いも対応は母親、保育園の送迎も母親、ご飯、お風呂、歯磨き、寝かし付けも母親。夫が子どもたちと一緒にテレビを観ていることがありますが、子どもができてから、テレビはゆっくり観られていません。まず、ソファに座る時間もないです。夫は会社の飲み会に行けますが、妻は行けない。自分の病院にも行けないなど、自由がないなと思います」(41歳/鹿児島県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
「眠い時/疲れている時」
・「『今日は良く眠れたな』と感じるほど眠れたことがない」(34歳/青森県/教育/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「睡眠不足と感じた時」(40歳/兵庫県/設計/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「疲れ切って寝る時」(35歳/埼玉県/通信関連/クリエイティブ関連/会社員・公務員・団体職員)
「仕事との両立が大変」
・「フルタイムで働いている上、休日も子どもの世話(+夫の食事)ばかりで、自分の時間がないこと」(32歳/北海道/教育/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもを中心に、仕事・タイムスケジュールを変えなければならない」(42歳/愛知県/流通・チェーンストア/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「1人で夜、子どもと接していて、かつ仕事を持ち帰っている時」(44歳/東京都/システムインテグレータ/IT関連技術職/会社員・公務員・団体職員)
「責任や重圧を感じる」
・「子育てに行きづまっている時」(36歳/神奈川県/インターネット関連/クリエイティブ関連/会社員・公務員・団体職員)
・「離れていても子どものことが心配で、本当に離れることは無理だと思う」(26歳/東京都/不動産/専門職関連/会社員・公務員・団体職員)
・「常に子どものことが気になる」(36歳/埼玉県/サービス/専門職関連/会社員・公務員・団体職員)
総評
調査の結果、「母親には自由がないと感じる瞬間はあるか」との問いに「はい」と答えた人は79.7%、「ない」人は20.3%となった。「どのような時に自由がないと感じるか」については、「時間や行動が制約される」が75.3%で最多となった。2位は「周囲が非協力的/すべて1人でやらなければならない」で11.3%、3位「眠い時/疲れている時」は4.6%、4位「仕事との両立が大変」は4.2%、5位「責任や重圧を感じる」が2.5%で続いた。「その他」は2.1%だった。
母親には「自由がない」と感じている人は、全体の8割近くを占めている。理由として最も多かったのは、「時間や行動が制約される」で、4分の3の人が挙げている。子どもはかわいいし子育ての大変さもある程度は覚悟していたとしても、実際に育児の現実に向き合うとなると、想像以上に自由がないと感じてしまうようだ。
2位の「周囲が非協力的/すべて1人でやらなければならない」では、子育てを母親である自分が一手に引き受けており、周囲のサポートが得られないことに、自由がないと感じてしまうという声が寄せられた。特に、これまで同様"自由を満喫している"ように見える夫が身近にいることで、より自分の不自由さを感じてしまうようだ。4位「仕事との両立が大変」にも、仕事だけをしていればいい夫と比べて自分は……というニュアンスが感じられる。
3位「眠い時/疲れている時」は、そういった育児の負担が具体的に肉体的な疲労や睡眠不足という形で現れた時に、また5位「責任や重圧を感じる」では、精神面でのプレッシャーが、それぞれ自由がないと感じる理由となっている。
今回の調査では、若干の表現や視点の違いはあるものの、自由がないと感じる理由はおおよそ1位の「時間や行動が制約される」に集約されているといっていい結果となった。全てが子ども中心の生活となることで、それまで普通にできていたことができなくなる。そこに大きな不満を感じていることが明らかになっている。
最近はイクメンの存在も一般化しつつあるものの、まだまだ子育ては女性に多くの負担を強いているのも現実だろう。周囲の人、特に夫が妻の気持ちに今以上に寄り添いサポートすることで、母親のこの不自由な感覚は和らぐかもしれない。
調査時期: 2016年12月8日~2017年4月24日
調査対象: マイナビニュース会員(子どもをもつ女性)
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません