東武鉄道は7日、東武スカイツリーラインから東京メトロ日比谷線へ直通運転を行う新型車両70000系の車両撮影会を実施した。先にデビューした東京メトロ日比谷線13000系と仕様共通化を図った車両で、撮影会では両社の新型車両が並んで公開された。70000系は今年6月をめどに営業運転を開始する予定だという。

東武鉄道の新型車両70000系が報道関係者らに公開された

70000系は東京メトロ13000系と同じく車体長20m、片側4ドア、7両編成の車両。車両機器や車内主要設備の仕様を共通化するとともに、車内の快適性向上や環境負荷低減にも努めた。外観・車内のデザインは両社で異なり、70000系は「イノベーションレッド」「ピュアブラック」の2色を用いた外観で革新的かつ引き締まったイメージを表現した。車端の戸袋部に「エナジードット」(沿線の活力を表現)のアクセントも取り入れた。

車内の座席や床には外観と一体感のある色柄を採用している。既存車両と比べて座席幅が拡張され、クッション性も改良された。明るく開放的な空間とするため、座席横の仕切りや荷棚、貫通扉にガラス素材を採用。妻引戸衝突防止グラフィックとして「東武動物公園」「草加松原 百代橋」「千住大橋」「隅田川と東京スカイツリー」といった東武スカイツリーライン沿線の風景がデザインされている。

東武鉄道の新型車両70000系、東京メトロ日比谷線の新型車両13000系が並ぶ

新型車両70000系の車内。フリースペースに腰当も設置された

フリースペースは全車両に設置され、車端部の座席もすべて優先席に。外観においても車端の肩部のラインにフリースペースと優先席のマークを表記し、機能とデザインを両立させている。ドア上の車内表示器は3画面となり、多言語に対応した乗換案内・駅設備案内などきめ細かな情報を提供する。操舵台車や永久磁石同期電動機に代表される最新技術の導入により、走行時の騒音低減と省エネルギー化も実現した。

新型車両70000系は6月をめどに営業運転を開始し、その後も順次導入して既存車両20000型・20050型・20070型を置き換える予定だ。東武鉄道70000系・東京メトロ13000系による車両更新が完了する2020年度以降、相互直通運転車両はすべて片側4ドアに統一される。日比谷線直通列車も停車する東武スカイツリーライン北千住~北越谷間では今後、ホームドア整備が推進される計画となっており、2020年度までに北千住駅(5~7番線ホーム)・新越谷駅・北越谷駅、2021年度以降に他の各駅でホームドア整備が進められる。