さんまのMCは「まるで手品」

一方、この番組の大黒柱である、さんまについて、鈴木氏は「評論家の皆さんは自説を曲げられない戦いもしているので、一触即発になりそうなピリつく場面もあるんです。でも、さんまさんという"パパ"が、悲劇にならないように喜劇で収めてくれるというところが本当にすごい。安心させていただいています」と、その役割に感謝。

評論家軍団と食事会を行うと、必ず「やっぱりさんまさんはすごい」という話題になるそうで、情報をより分かりやすく消化して視聴者に伝えつつ、きちんと自分で落として笑いを起こす姿に「まるで手品のような、素晴らしい芸を見ているよう」と、ほれぼれするそうだ。

ちなみに、現在のバラエティでは、面白い発言を強調するために、ボイスフォローのテロップを入れるのが主流だが、さんまの発言でそれが行われるのは、この番組だけ。その理由について、鈴木氏は「情報量が多いわりに、わりと早いテンポの編集にしているので、今何を言ったのかが分からなくてストレスにならないように、テロップを入れることを決めたんです」と明かす。「さんまさんにも納得いただいているんで、そのためにもこの番組は頑張らないとと思ってます」と、"特例"ゆえのプレッシャーも感じているようだ。

この4月で、放送開始7年半を迎え、長寿番組の域に入ってきているが、その分パネラーも芸歴を重ね、ブラマヨ、マツコ、磯野貴理子、島崎和歌子という、単独でMCを張れる豪華出演陣が並ぶ。さんまは「バルササッカーみたいやな」と例え、鈴木氏も「パネラーアベンジャーズです」という最強メンバーをそろえるだけに、今後も「味を足しすぎて、説明過多になると素材の良さが減り、視聴者の皆さんも何を見ていいか混乱するので、評論家の『ホンマでっか!?』な情報を、いかに純粋のままアプローチを変えて見せるか」という姿勢を守っていく考えだ。

ただ、このメンバーをパネラーだけにしておくのはもったいないということで、最近では互いに意見をぶつけ合う「アナタはどっち派?」コーナーも導入。「より番組の幅を広げていきたい」と狙いを語る。

裏番組対策「動き始めています」

4月からは、裏の日本テレビが、長年放送してきた『ザ!世界仰天ニュース』から、『今夜くらべてみました』に変わるが、「怖いです。日テレさんのことなので、先を見据えた仕掛けを展開すると思っていますから、こちらも新企画をいくつか考えていて、動き始めています」と対策を練っていることを明かした。

きょう5日(21:00~22:54)放送の「春の終活応援フェア!最期まで笑って逝こうぜSP」では、関根麻里が所ジョージを連れて「60歳を過ぎた所さんが、ゲラゲラ笑って最期を迎えるにはどうしたらよいでしょうか?」と、付き添い人生相談。「所さんは『なんだその悩みは』って言うんですけど(笑)、そこから皆さん死に対する思いとか、孫がいた方が良いのかとか、さんまさんは葬式を盛大にやりたいとか、興味深い話がいっぱい出てきました」と見どころを語る。

さらに、新ドラマ『人は見た目が100パーセント』に出演する桐谷美玲と水川あさみも登場し、「春の危ない習慣」について取り上げる。鈴木氏は「放送後の反響が楽しみです」と収録の手応えを話している。

きょう5日(21:00~22:54)放送「春の終活応援フェア!最期まで笑って逝こうぜSP」より
(前列左から) 関根麻里、所ジョージ、明石家さんま / (後列左から) 吉田敬、マツコ・デラックス、島崎和歌子、磯野貴理子