発表会に登場した日本マクドナルド・ナショナルマーケティング部の唐沢氏も語っていたことだが、マックで発売から20年が経過し、消費者に認知されている季節の定番商品といえば秋の「月見バーガー」や冬の「グラコロ」などがある。一方でてりたまは、月見バーガーなどに比べると認知度は低い。一般の消費者は、てりたまを季節商品ではなく通年商品として認識しているかもしれない。

てりたまは2017年4月初旬までの期間限定で販売。価格は通常のてりたまがMセットで660円、ギガベーコン入りが同720円だ

まだ驚くような新商品を出していない今年のマック

マックが先頃開催した2016年12月期の通期決算発表では、「おいしさ向上宣言」や「エクスペリエンスの提供」といういくつかのキーフレーズが提示された。その中で、「進化」という単語が気になっていた。マックはどんな進化を見せてくれるのだろうか。何が、また何を進化させるのだろうか。

てりたま自体は、なんら新しい商品ではない。それどころか、マックの今年に入ってからの商品戦略を振り返ると、まだ新商品らしい新商品にはお目にかかっていないというのが感想だ。

基幹商品の進化に注力か

もし、進化の意味するところが、基幹商品を進化させることであり強化することであるとしたならば、今年のマックは他社にとって「油断できない存在」となる可能性が大きい。基幹商品をしっかりと作りこんでファンの維持と拡大を図ること。実際、それこそが一番難しい作業なのである。

新しい商品は、話題性や新奇性を持ち、多くの新しいお客様を呼び込んでくれる。しかし、一時的な効果しか得られないことも多い。

基幹商品がしっかりしていることは、商品戦略上の基礎数値、つまりは安定的な売上として計算がしやすい仕組みになっている。基幹商品があるからこそ「季節商品」がいきてくるわけだ。もしかしたら、既存商品からは想像もつかないような新商品がひそかに出番を待っているのかもしれないが、それは次に期待しておくとしよう。