三重県では4月21日~5月14日、4年に1度の全国菓子大博覧会「第27回全国菓子大博覧会・三重」(愛称:お伊勢さん菓子博2017)を県営サンアリーナとその周辺を会場にして開催する。全国から1,800点のお菓子が集結し、白い赤福餅がセットになった「赤福餅 祝盆(いわいぼん)」の販売など、多彩な企画が展開される。

おいしい伊勢のお菓子を召し上がれ(写真は伊勢のお菓子のイメージ。左上から、蓮台寺柿の葉入りフィナンシェ、へんば餅、おかげ犬サブレ、伊勢茶のテリーヌ、二軒茶屋餅、酒素饅頭)

菓匠たち渾身の工芸菓子も

全国菓子大博覧会は明治44(1911)年から約4年に一度開催されており、三重県での開催は初となる。戦争による一時中断を挟み、これまで26回の開催を重ねてきた。会場では、全国のお菓子が展示・即売、また菓匠(菓子職人)により作られた工芸菓子が披露される。

「第27回全国菓子大博覧会・三重」会場イメージ

「お菓子の匠工芸館」では、全国の菓匠(菓子職人)達が伝統の技を駆使して制作した工芸菓子を一堂に集めて展示。出展品は名誉総裁賞・農林水産大臣賞などの褒賞審査の対象となる。今回の菓子博では、史上最多となる174点の作品が出品される。

この工芸菓子とは、お菓子の材料を使ってあるテーマを写実的・立体的に表現した芸術作品のことで、和菓子は主に花鳥風月などの自然、洋菓子は人物や建物、造形物などを創作している。そうした見ても食べてもおいしい工芸菓子が集結するのも、菓子博の魅力のひとつとなっている。

「ひろしま菓子博2013」出品作品

広大なメインアリーナには、菓子博のシンボルとなる巨大工芸菓子を設置。歌川広重「伊勢参宮宮川の渡し」の浮世絵をモチーフに江戸時代のお伊勢まいりのにぎわいを巨大工芸菓子で表現する。およそ幅10m、奥行き5.5mの大きさで、県内100人以上の和洋菓子職人たちが、匠の技を結集して創り上げる迫力満点の作品となる。

巨大工芸菓子のイメージ

巨大工芸菓子を設置する「お菓子のテーマ館」では、伊勢まいりのにぎわいを江戸時代の旅人になった気分で味わえる、旅情あふれる空間を演出。また、菓子博史上初の試みとして県内の高校・専門学校生による「地元食材」をテーマにした工芸菓子を展示する。

日本全国を6ブロックに分け、全国からおよそ2,500点のお菓子を展示する「全国お菓子であい館」では、お菓子と地域の関わりを紹介するコーナーなど、全国を旅している気分でお菓子文化を学べる空間となる。

「三重おいない館」では、開催地である三重県の魅力を紹介する他、県内大手菓子メーカー3社の赤福、井村屋グループ、おやつカンパニーがオリジナルブースを出展する。また、「みえ食旅パスポート菓子博版」も発給。このパスポートは、県内のお菓子屋さん&菓子博会場で3コ以上のスタンプを集めて応募すると、抽選でプレゼントが当たる。

老舗菓子屋を一度に味わえるパフェも

会場では展示の他、お菓子の販売も行う。老舗和菓子メーカー6社(赤福、神戸風月堂、俵屋吉冨、つちや、花園万頭、両口屋是清)による真菓会(しんかかい)は、江戸時代に伊勢まいりの街道沿いで旅人をもてなした茶屋を「おかげ茶屋」として出展する。

中でも注目は赤福の限定商品「赤福餅 祝盆」で、通常の赤福餅と白小豆を使用した白あんの赤福餅をひとつずつのせたお盆となる。さらに、江戸時代から明治期にかけて作られていた"黒糖味の赤福餅"を復刻版として特別販売する。菓子博のために共同開発したお菓子を一度に味わえるオリジナル和パフェ「しんかパフェ」(仮称)も登場する。この赤福餅 祝盆と復刻版 赤福餅、しんかパフェは菓子博限定となる。

赤福餅 祝盆

復刻版赤福

三重県をはじめとする全国のお菓子およそ530社・1,800点の商品は、「全国お菓子夢の市」にて販売。また、三重県産のあおさ、伊勢茶、かんきつ類を使用し県内の高校生達が考案したレシピをプロが商品化し発売する。「お菓子にぎわい夢横丁」では、江崎グリコ、カルビー、不二家、ブルボン、明治、森永製菓、山崎製パン、ロッテの大手菓子メーカー8社がそれぞれのお菓子の魅力や商品をPRする。

「全国お菓子夢の市」のイメージ

「フードコート&いせおもてなし街道」では、松阪牛、伊勢うどん、てこね寿司など県内の様々なグルメを味わうことができる。会場には、野点スタイルで抹茶と和菓子が楽しめる「お茶席」も展開し、三重県が誇る伊勢茶の抹茶を伊賀焼・萬古焼等の抹茶茶器で提供する。また、「aiaicafe(アイアイカフェ)」では、井村屋グループによる菓子博のために開発された贅沢スイーツを提供する。

「フードコート&いせおもてなし街道」のイメージ

「いせ舞台」では、全国の菓子工業組合によるサンプリングイベントを実施。三重県の観光物産の紹介や郷土芸能の披露、一般公募で選ばれた地元パフォーマーによるステージ、有名人の登壇によるプログラムなども予定している。また、開催期間中の毎週土日祝(最終日を除く)には「お菓子づくり教室」を開催。県内の菓子職人や製菓専門学校の教諭が先生となって、親子でお菓子づくりを体験できる。

前売券は4月20日まで

「お伊勢さん菓子博2017」は4月21日~5月14日の24日間、各日10時~18時(最終日は17時まで)に、三重県営サンアリーナ(伊勢市朝熊町字鴨谷4383-4)及びその周辺で開催。入場料(税込)は、前売券が普通・大人1,800円、シニア1,400円、中学・高校生1,200円、小学生700円。当日券(税込)は、普通・大人2,000円、シニア1,600円、中学・高校生1,400円、小学生800円となる。

お伊勢さん菓子博2017の公式キャラクター「いせわんこ」

前売券は4月20日まで。三重県内のお菓子屋(三重県菓子工業組合加盟店)、イオングループ各店舗(一部店舗を除く)中部・関西エリアの各店、近鉄駅営業所、三重交通主要きっぷ売場、近鉄百貨店(一部店舗を除く)各店ギフトサロン他、主な旅行代理店、主なコンビニエンスストア、公式ホームページなどにて発売。県内150以上の店舗や施設で菓子博の入場券を提示すると、さまざまな特典やサービスなどの入場券特典が受けられる。

会場の最寄り駅は、近鉄「五十鈴川駅」・JR「二見浦駅」で、各駅からはバス(有料)を案内している。車の場合、伊勢二見鳥羽ライン「朝熊IC」または「二見JCT」下車、一般道からは国道42号「三津」交差点を西となる。「伊勢あさま苑横」ほか臨時駐車場(有料)を数箇所開設するが、駐車場には限りがあるため、公共交通機関の利用を推奨している。