格安スマホに乗り換える前に知っておきたいこと

――大手携帯キャリアから格安スマホに乗り換えるときに、注意すべきことは

今使っている端末が、SIMロック解除対象のスマホなら、持っている端末のSIMロックを解除(有料)してSIMカードを挿し替えるだけで使用できるので、データ移行が要りません。端末に愛着がある方が多いので、そこが良いところだと思います。また、乗り換えてもSIMの中のアプリが変わることはありません。ただ、例えばKDDIが提供する「auスマートパス」からダウンロードしているアプリなどは、auの契約を解約すると消えてしまうので注意が必要です。

節約アドバイザーの丸山晴美さん

――初期費用は、あまりかからないんですか

状況によって変わります。大手携帯キャリアの契約は2年縛りなので、2年後まで待たないと違約金(解約手数料)がかかりますよね。端末本体に分割ローンが残っていたらそれも払わなければなりません。また、事務手数料や携帯電話番号を変えずに乗り換えできるMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)するときにもお金がかかります。実際、格安スマホの申し込みに事務手数料がかかるので、1~2万円ほどはかかります。ただ、元がすぐ取れるので、もうすぐ2年目を迎える人はチャンスです。

――契約内容を決めるときに気をつけた方がいいことはありますか

格安スマホでは、2年以内の解約でも違約金がかからなかったり、気軽にデータ通信量のプランを月に1回変更できたりする業者もあるので、そういう意味では格安スマホのプランは柔軟性があります。

とはいえ、最近では格安SIMのデータ通信量において、制限を設ける業者が出てきています。例えば、1カ月あたりのデータ通話量とは別に、3日間あたりで使えるデータ容量に制限があるなど。業者によってデータ通信制限の条件と速度は異なるのでよく見た方がいいでしょう。業者の中には、余ったデータ通信量を繰り越せるサービスを提供しているところもあります。例えば、NTTコミュニケーションズが提供する格安SIM「OCN モバイル ONE」では、日次 (1日単位)プランは翌日まで、月次(1カ月単位)プランは翌月まで、基本通信容量の残量を繰り越せます。月次プランで5GBと設定した場合、2.5GB余ったら翌月は7.5GB使えるというものです。こうした業者ごとのデータ通信量のプランをチェックした方が良いでしょう。

そのほか、ショートメールが使えるもの、無料のWi-Fiスポットがあるもの、テザリングができるものなど、ただ単に金額だけに着目しないで、付随するサービスも見て選んだ方が良いと思います。

――本日はありがとうございました

(2017年2月13日:本文記事中に一部誤りがありましたので修正しております)