スマホの普及により、今や家計の中で大きな割合を占めるようになったのが通信費。「格安スマホ」「格安SIM」に興味はあるものの、「どのように選んだらいいのかわからない」という人も多いのではないだろうか。そこで今回は節約アドバイザーの丸山晴美さんに格安スマホの選び方についてお話をうかがった。
格安スマホは、どのくらい節約になる?
――そもそも格安スマホが安いのはなぜなのでしょうか
格安スマホや格安SIMの事業者は、大手携帯キャリアの回線を一部借りてインターネット通信・通話のサービスを安く提供しています。例えば、通信回線を道路とするなら、道路が広ければ広いほど、スムーズに車が流れますが、片道一車線のように道路が狭いと運転が遅くなり、通信速度が遅くなります。格安SIMの業者はこの通信回線の大きさを公表していないので、通信速度や品質は口コミなどを参考にして、ある程度通信速度に安定感のあるところを選ぶことをおすすめします。
大手キャリアの場合は、販売店舗があるので何か分からないことや困ったことがあれば、聞きにいきやすいですよね。一方、格安スマホ系は路面店がほとんどありません。こうした設備投資などのコストを削減しているから、商品を安く提供できるということなんです。
――節約の面で、なぜ格安スマホが注目されていると思いますか
消費税が増税したり給料がなかなか上がらなかったり……。結局私たちを取り巻く環境というのは、なかなかお金が貯まらない環境になりつつあります。その中でも、通信費が世帯に占める割合というのがかなり大きくなってきています。その理由は、お分かりの通り、ガラケーからスマホを使うようになったからです。これまで、通信費をガラケーで1カ月に約2,000~3,000円で済ませていたものが、現在は大手携帯キャリアのスマホでは1カ月に8,000円~1万円ほどかかる状況となっています。
例えば、4人家族で全員が携帯電話を所有すると、1カ月の通信費が最低でも4万円ほどになるので、家計に大きな負担となりますよね。そういった意味で注目されているのが、格安スマホ(格安SIMとセットで販売されている端末)やSIMフリーのスマホ(SIMロックが解除されている端末。他キャリアのSIMカードを利用することができる)。これを使うと、スマホがまだ普及する前のガラケーとほぼ同じ値段で持てる利点があります。
――丸山さん自身も格安スマホを使っているんですね
そうです。私の場合は、ガラケーとSIMフリーのスマホ(データ通信用)の2台持ちです。通信費はガラケーが無料通話分繰り越しタイプで月額2,000~3,000円ほど、スマホが月額980円のパックです。今まではスマホ1台で月額およそ1万1,000円でしたが、今では合わせて月額3,000~4,000円ほど。
ガラケーはガラケーで取っておきたいけど、スマホも欲しいという人にとっては、こういう持ち方でもできるということです。