大井川鐵道は2月26日、国内で唯一営業運転を続ける元南海電気鉄道21000系の貸切乗車ツアーを実施する。通常2両編成で運転している21000系を南海電鉄時代を思わせる4両編成にして運転するなど、随所にこだわりを見せる内容となっている。

大井川鐵道21000系は大井川本線(金谷~千頭間)で活躍中

ツアー当日、まず21000系2両編成に乗車し、新金谷駅から千頭駅まで移動。ほどなくして元近鉄16000系電車と回送21000系が相次いで千頭駅に到着するため、元南海・元近鉄の2ショットや元南海・元近鉄・元南海の並びが撮影できる。

16000系が普通列車として千頭駅を発車した後、21000系2編成を千頭駅側線に移動し、2編成の横並び撮影会を実施。続いて21000系2編成を併結して同駅2番線に移動し、3番線ホームから4両編成となった姿を撮影する。最後に21000系4両編成で千頭駅を発車し、新金谷駅に帰着して終了となる。この日は南海時代を思い出させる「マル急」ヘッドマークを先頭部に掲出して運行するとのこと。

旅行代金は、新金谷~千頭間2日間乗降り自由のフリーきっぷと昼食代、保険料込みで大人1万円・こども7,000円。定員は80名。大井川鐵道公式サイトにて、2月10日9時から2月12日23時59分まで受け付ける。申込み多数の場合は抽選となる。

元南海21000系(大井川鐵道21000系)は、南海電気鉄道が1958(昭和33)年から製造した車両。南海時代は大阪市内から高野山にかけての路線で急行などに運用され、「ズームカー」「丸ズーム」の愛称で知られた。大井川鐵道の2編成4両は1994年と1997年に導入されたもので、南海時代のカラーリングのまま使用されている。同型車は島根県の一畑電車にもあったが今年1月に用途廃止となったため、現役として残るのは大井川鐵道のみとなった。