労務行政研究所は2月1日、2017年の「賃上げに関するアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2016年12月5日~2017年1月16日、有効回答は労働側(東証1部・2部上場企業の労働組合委員長等)200人、経営側(同人事・労務担当部長)135人、労働経済分野の専門家136人の計471人。

賃上げ見通しは平均6,332円

2017年の賃上げ(定期昇給分を含む)見通しは平均6,332円(賃上げ率2.00%)。前年の実績6,639円(同2.14%)を307円下回ったが、賃上げ率は2%台を維持する見込み。労使別にみると、労働側は6,235円(同1.98%)、経営側は6,286円(同1.99%)で、労使の見通しの差は51円(0.01ポイント)だった。

 実際の賃上げの見通し(額・率)(出典:労務行政研究所Webサイト)

賃上げ率の分布を調べたところ、労使とも「2.0~2.1%」が4割台(労働側41.0%、経営側48.9%)で最多となり、次いで「1.8~1.9%」が1割台(労働側18.0%、経営側10.4%)で続いた。同研究所は「一様には言えないが、調査結果から、定昇にいくらかのベアが上積みされるとの見方が多い」と分析している。

ベアの実施については、経営側では「実施する予定」が23.7%、「実施しない予定」が50.4%だったのに対し、労働側では「実施すべき」が60.0%に上った。

2017年の夏ボーナスの見通しを聞くと、労使とも2016年夏と比べて「同程度」と答えた割合が約6割(労働側58.5%、経営側60.7%)を占め、次いで「減少する」が2割前後(労働側20.0%、経営側17.8%)、「増加する」が1割台(労働側16.0%、経営側14.1%)となった。

2017年夏季賞与・一時金水準の見通し(出典:労務行政研究所Webサイト)

同研究所は「各機関集計による昨16年の夏季賞与支給実績(主要企業)は前年同期比増加となったが、17年についても引き続きこれと同程度になる」とみている。