移動に関わる幅広い分野に進出

でも、パナソニックが電動車両用バッテリーを供給しているのは、クルマだけではない。台湾生まれの電動スクーター「ゴゴロ(Gogoro)」にも使われている。このゴゴロ、バッテリーをレンタルする形でのスクーターシェアリングとして開発され、ボッシュのスクーターシェアリングサービス「クープ(Coup)」の車両として起用されるなど、注目の1台なのである。

ゴゴロとバッテリー(画像はGogoroより)

驚いたのは、テスラやゴゴロの隣にバス停が設置されていたこと。スマートバスシェルターと名付けられたこれは、巨大なディスプレイで運行状況を確認できるだけでなく、他の交通情報も紹介。バスが遅れているのでライドシェアで目的地に行きたいときは、ここから呼び出すこともできる。日本でもいち早く取り入れてほしい、便利なバス停だった。

さらにブースには、巨大なスマートシティのディスプレイも据えてあった。車両や道路にセンサーを設置することで、より安全で効率的な道路交通を目指すという内容は他社でも見られるが、パナソニックの場合、昨年からコロラド州デンバーなどで実際に実験を行っている点が異なる。消費者や企業のみならず、自治体にも入り込んでいるのだ。

左がスマートバスシェルター。右はスマートシティのディスプレイだ(画像はパナソニックより)

コネクテッドカーにもパナソニックの技術

コネクテッドカーの分野にもパナソニックは関わっている。フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)が今年のCESで公開したコンセプトカー「ポータル」もその1つだ。

ポータルはドアの開口部に仕込まれたカメラを使って乗員をチェック。認識するとその人が選んだ色で開口部が光り、迎えてくれる。インパネにもカメラがあり、その人に合った音楽や空調を設定してくれる。このうち音楽は4席別々のソースを楽しむことが可能。さらには移動中にスマートホームの遠隔操作もできるという。

コネクテッド技術は自動車だけでなく航空機にも及んでいる。つまりコネクテッドエアクラフトだ。乗客が所有するタブレットで映画や照明などの操作が可能で、テレビ番組をリアルタイムで見ることもできる。さらに運行面でも、最新の天候状況を航空機に伝えることで、より安全でかつ燃料消費の少ない飛行を目指せるという。