今年で50周年を迎えたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に初回から参加する数少ない日本企業、パナソニック。その展示が近年、急速にモビリティ色を深めている。今回は自前のコンセプトカーまで発表。その真意を会場で関係者に聞いた。

モビリティ色を強めるCESでのパナソニック(画像はパナソニックより)

3年でがらりと変わったパナソニックの展示内容

パナソニックといえば、テレビやパソコン、洗濯機、冷蔵庫など、ありとあらゆる分野に製品を送り出している日本の家電メーカーの雄。一方のCESは、日本では「家電ショー」と呼ばれることが多い。

となれば同社のブースは、家電のオンパレードとなっても不思議ではない。ところが今年、パナソニックの広大なブースは、約半分がモビリティ関連の展示で占められていた。

同社のプレスリリースをチェックしてみると、3年前、つまり2014年のCESの展示テーマはズバリ「4K」。つまり映像がメインだった。それが翌年になると、「家電」、「企業向けソリューション」、「車載・デバイス」といった3つの分野を掲げるようになり、初めて自動車関連製品が具体的に登場してくる。それでも、スペース的には全体の6分の1程度だった。

さらに2016年のCESでは、「スマートホーム」、「ビジネス/リテール」、「モビリティ」、「スタジアム」の4つのエリアで提案しており、車載製品から歩を進めてモビリティ、つまり移動そのものに関する製品の展示も始まった。

テスラとの親密ぶりもアピール

このように、CESにおけるパナソニックのモビリティ関連展示は、この3年間で急速に増えてきたのである。その内容は、近くにブースを構えていた、もともとモビリティ分野のサプライヤーとして君臨してきた独ボッシュに匹敵するレベルにあった。

もちろんこれまでも、パナソニックは自動車業界と深い関わりを持ってきた。なかでも最近の動きとして有名なのは、地元米国を代表する電気自動車(EV)メーカーであるテスラ・モーターズのバッテリー生産だ。

テスラとの取り組みを紹介する展示には実車も用意(画像はパナソニックより)

今回のCESでも、もちろんこの分野はメインの1つとなっていて、ガルウイングドアが印象的なクロスオーバー「モデルX」の実車を展示するとともに、同車に使われているリチウムイオン電池のカットモデルを展示し、テスラとの親密な関係をアピールしていた。