TVアニメ『ドリフターズ』のご当地先行上映会第3弾となる第9話~最終話(最終話先行上映)が、新宿バルト9にて開催され、その上映後に、島津豊久役の中村悠一、土方歳三役の安元洋貴、キャラクターデザイン・総作画監督の中森良治氏、上田耕行プロデューサーが登壇してのトークイベントが行われた。

12幕を終えた感想を聞かれた中村は「やっと終わったなと…。やると決まってから年単位なので、長い旅だったんですけど、見ておわかりの通り、終わっておりません! なので終わった感は全然ないです」と答えると、安元が「僕はやっと始まった! と思ったら終わりました。いやぁ(登場まで)待ちました~。3話で出るかな? 画だけだーって(笑)」と発言、2人で会場を盛り上げる。

続いて中森氏が「作画は大変でした…。自分以外にも闘ってくれた作監さんがいっぱいいるので、スタッフロールなどで見てくれたら、彼らも喜んでくれると思います」とコメント。最後は上田プロデューサーが「最終話の先行上映にこんなにたくさんの人が来てくれてありがとうございます。他のタイトルだけではなく、ドリフのことも覚えていてくれるとありがたいかなと思います」と自らも面白トークに走る。

さらにキャラクターや世界観について聞かれると、絵柄も濃いから、みんなキャラが濃いくらいがちょうど良くて、これが普通になってきたとのこと。中村は「豊久は訛っているというアイデンティティがあって良かった」と語る。

収録の思い出では、安元が、みんな予想以上にすごくて「なんて脂っこい現場だ」と思っていたとのこと。さらにコミックスの巻末漫画で今回映像化もされている「黒王様御乱心」が大好きという安元の発言からトークが転がり、中村が「黒王様御乱心」で歌を歌った楠大典から「みんなキャラソン録ってるの?」と聞かれたエピソードを披露。「たぶん作品的にそういう展開はないし、僕はどうやって歌えばいいんですか? 仮歌のあとに(薩摩弁の)ガイドが来ると思います」というやり取りがあったと明かし、爆笑を誘った。

一方、豊久と土方の作画で苦労した点を聞かれた中森氏は、「豊久の腰のものは殺人的な線の量でして、刀2本に銃。それをいかに処理するかに苦心しました。黒王に関しても、原作の平野先生曰く、顔を描かないでいいからラクなのだそうですが、アニメだと逆に情報が少ないとペタンとなるので、いろいろな技術を駆使して質感を出している」と解説した。

そして最後は『ドリフターズ』の今後について。もちろん原作を粛々とアニメ化していくとのことで、次のオリンピックくらいに終わればいいなと上田プロデューサーはコメントした。さらに12月30日にはBlu-ray BOXが発売。発売延期のお詫びとしてドラマCDが付くことがアナウンスされた。

「平野耕太作品が大好きで、関われるだけで嬉しかったんですけど、これだけ温度を高く作っていただいたことも嬉しかったし、それをみなさんと一緒に見られたことも素敵なことだったと思います。またこういうことができるように応援し続けてください。大丈夫です。平野さんの作品が好きな人は、待つのに慣れています(笑)! みんなで一緒に待ちましょう」(安元)

「来年以降も引き続きやれるのは間違いなさそうなので、よろしくお願いします。僕も延期したBOXを見返して、薩摩弁を忘れないように気をつけたいと思います。ちなみに先程のドラマCDは最近収録したんですけど、久々にダメ出しを受けまして。"ちょっと変わっちゃった?"と。それは謝りつつ、心の中では(相当前に収録が終わっているので)"そりゃ変わるよ!"と思っていました」(中村)

と、最後は2人がやっぱり面白く締めくくり、ドリフターズご当地上映会は幕を閉じた。

(C)平野耕太・少年画報社/DRIFTERS製作委員会