1.衣類の乾燥に使える!

――引き続き、サーキュレーターの活用術を教えてください
まず、季節を問わない活用法ですが、部屋干しした衣類の乾燥に使えます。干した洗濯物に向けて、首振りをオンにして送風するのがオススメです。湿った空気が周りにあると洗濯物から水分が出ていきにくくなるので、常に洗濯物の周囲の空気を入れ替えるのが効果的なんです。ついでに部屋の加湿にもつながりますよ。

ただ、サーキュレーターに直接水滴が落ちたり、布がかかったりしないように注意は必要です。故障の原因になりますので。

部屋干しした衣類の乾燥にも使える

2.結露防止に使える!?

――冬は、窓の結露防止などもできるのではないですか?
たしかに効果はあるのですが、実用途としては微妙かと思います……。

――なぜですか! ちゃんと説明してください
"結露"とは、外気に近い窓周辺の空気と、室内の暖かい空気との温度差で発生するものです。室内の暖かい空気には水蒸気が多く含まれていますが、窓の近くでその空気が冷やされることで、水蒸気が凝結して水滴となり、窓に付着してしまうんです。

ですので、サーキュレーターによって暖かい空気を窓まで運ぶことは結露防止に有効です。そもそも窓の周辺は湿気がたまりやすいところでもあるので、その空気を循環させるという意味でも結露防止にはなります。

まとめると、窓に向けて送風すれば効果的ですし、窓に向けなくても気流ができるので、ある程度の予防にはなるということですね。

――結露防止に使えるではないですか
問題はここからなんです。結露が出るのは夜が多いですよね。夜はカーテンを閉めることが多いので、窓への気流をさえぎってしまうんです。

――カーテンが気流を……なるほど……
もちろん、効果がないわけではないのですが、サーキュレーターだけで恒常的に結露を防止することは難しいかもしれません。気になった時にそこを乾かしたい、という応急処置的な使い方であれば効果的なのですが。

カーテンが気流をさえぎってしまうので、結露対策には不十分かもしれない!

――先ほどは熱くなってしまいすみませんでした
大丈夫です。

3.加湿器と組み合わせて使える!

――家電との組み合わせは、エアコン以外ではありますか?
サーキュレーターは、エアコンだけでなく空調家電全般との相性がいいのが特徴です。

私の家では加熱式の加湿器を寝室に置いているのですが、ボコボコと音がするのでベッドからは離してあるんです。そこで、自分の方まで湿気を届かせるためにサーキュレーターを使っています。

壁際に加湿器を置いていると、蒸気口の近くの壁だけじっとりぬれていたりしますよね。加湿器から出る湿気を部屋の端から端までムラなく行き渡らせるために、サーキュレーターが使えますよ。

4.空気清浄機とも組み合わせて使える!?

――空気清浄機との併用はどうですか?
これは私の主観なのですが……。空気清浄機の吸気口に汚れた空気を持っていくこともできるような気がしています。

――空気清浄機は床に落ちてしまったチリは吸い込めませんから、確かに効果的かもしれませんね
検証をしたわけではないのですが、エアコンと併用するついでの副次的な効果があるかも……? という程度です。

5.部屋の瞬間換気にも使える!

――まだありますよね?
もちろんです。サーキュレーターは部屋の換気にも使えますよ。

――窓を開けて、風を外に送るわけですか
その方法も有効なのですが、私が提案したいのは全く逆の方法です。

窓を開けて、網戸を背にしてサーキュレーターを設置し、室内に向けて強運転で送風してみてください。室外の空気を部屋の奥まで一気に巡らせることができるので、鍋や焼き肉の後の換気に使えます。

網戸を背にしてサーキュレーターを設置し、室内に向けて強運転。筆者も試してみたが、ものの数分で部屋の空気が一気にフレッシュになったような気がした

――換気後の室内の温度はどれくらいで元に戻るものなのでしょうか
部屋の広さにもよりますが……。暖房をずっとつけている部屋は、壁が温まっている状態です。短時間の換気であれば壁は冷えませんので、壁からの放射熱で想像よりも早く室内の温度は戻ると思います。

大きめを選ぶのがオススメ

――たくさんのテクニックをありがとうございました。サーキュレーターの選び方についても教えてください
予算と置き場所が許せば、大きめのものを選ぶといいと思います。"静音"など最も弱いモードでも風量が強いので、汎用(はんよう)性が高くなります。また、DCモーターを搭載したものがより省電力ですのでランニングコストの節約になります。

あと、マニアックなことを言えば、送風口のカバーの内側に凹凸がないものを選ぶといいですね。ネジの部品などが露出していますと、そこに風が当たって雑音を生んでしまいます。ちなみに当社の製品は全てつるっとしています。オススメです。

カバーの内側がつるっとしているものがオススメ。特に安価な商品ではよくチェックしよう

――なるほど。最後に伝えておきたいことはありますでしょうか。宣伝以外でお願いします
これまでお話した通り、サーキュレーターは、本当は冬の方が用途としては多いし、節電効果も夏より高くなりやすいんですよ。送風をする家電なので"夏に使うもの"と誤解されがちなのですが……。冬こそサーキュレーター活用してください! と言いたいです。

――ありがとうございました

イラスト: いらすとや

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