コミュニティがビジネスに結びつく環境

須賀さん:「京都、福岡、東京と、働く場所を転々とされた今岡さんにとって、福岡の魅力ってどんなところだと思いますか?」

今岡さん:「京都では、京都内でのつながりや、他の地方から京都に来た人が集まったクリエイティブ系のコミュニティなどが、面白く刺激的でした。学生や20代くらいの若者が多かったです。福岡の場合、一番印象に残っているのは、自分の仕事を自分たちがどう楽しむかということを、結構いい年した大人が考えていることです。福岡の場合は、京都と比較して年齢層が上の人たちが少年のようにはしゃいでいる(笑)」

須賀さん:「そうですね(笑)」

今岡さん:「地域のブランディングやビジネスに結びつけたり、行政の方の協力を得たりして、うまく連携している。東京にもコミュニティはありますが、大抵母数が多いので、福岡と同じ規模で集まってもほんの一角になってしまう。例えば、デザイナーはデザイナー同士、というように同職種の人だけで集まって、そこだけで完結することもありました。福岡の場合は、そんなに東京ほどは多くないのでいい感じにいろいろな職種やジャンルの人が集まって、いい相乗効果が生まれていると思います」

福岡で働く未来はどうなっていてほしい?

須賀さん:「30年後の福岡はどうなっていると思いますか?」

山田さん:「僕はアメリカを参考にしていて。例えば、サンフランシスコはスタートアップ、ニューヨークは金融の中心……とそれぞれ都市によって特徴がある。日本の場合は、その機能が全部東京に集約・集中していると感じます。だからこそ、僕は福岡をクリエイティブの中心にしたい。30年後クリエイティブなことを発注する先が福岡だとカッコいいと思われるような都市にしたいなと思います」

稲本さん:「30年後も今の感覚でいたいんですよ。今日話してきたような感じで福岡を良いと言えて、福岡来ないほうがいいですよ? って、言わない感じでいたらいいなと思います」

今岡さん:「楽しいことしたかったら福岡がいいよね、福岡の人みんな楽しそうだよね、といったことを、日本全国・世界中の人に思ってもらえたら良いのかな。福岡は都市的にも発展していて、皆のお祭り好きな気質がもっと盛り上がっているというふうに思われるような都市になる可能性を秘めているのかなと思います」