2016年10月よりTBSほかにて放送中のTVアニメ『ガーリッシュ ナンバー』。新人声優たちの可愛くも毒のある、お仕事ストーリーである本作の主人公・烏丸千歳役を演じる千本木彩花のインタビューが公開された。

クズ系ヒロイン烏丸千歳を演じる上での苦労やアフレコ現場での様子、また本作は声優業界を描いたストーリーということで実際の声優のお仕事の裏話などが語られている。

烏丸千歳役を演じる千本木彩花が語るTVアニメ『ガーリッシュ ナンバー』

――第3話までアフレコを終え、これまで烏丸千歳を演じてみて、何か掴んだものはありますか?

千本木彩花「テンション感ですかね。千歳は、演じるうえで、すごく難しい子なんですが、テンションは掴み始めてきたなって思います。最初は何が正解なのかがわからなかったので、『やってみてから』という感じだったんですが、だんだん私の中で『千歳はこういう感じ』というのは、把握できてきたと思います」

――最初は、だいぶ演技に苦労なさっていたそうですね?

千本木「そうですね。1話はだいぶ苦労しました……。最初に私が想像して演じてみた千歳は、ちょっとイメージが違っていたようで、ディレクションを受けて、徐々にキャラクターを近づけていきました。回を追うごとに、少しずつ、監督と渡先生が思っている千歳を演じられるようになっていったのかなと思います」

――千歳のキャラクターを掴んだポイントを教えていただけますか?

千本木「千歳って、話を聞いているようで聞いていないというか。周りの話も半分くらいしか聞かないで、あとは自分のことを考えている感じなんですよ。『テキトーだなぁ、言ってることもでまかせだろうなぁ』という軽さのニュアンスは、演じるうえで、掴めたポイントのひとつですね」

――掛け合いをしているようで、してないというか。演じる側は難しそうですね

千本木「そうですね。もう話半分で聞いています(笑)」

――現段階では、もう演技で苦労されていることはないですか?

千本木「今はもう大丈夫です! 千歳の軽さや適当さが、そのままいければいいなぁという感じです。ただ、ここから話がどうなっていくのかは知らないので(笑)、とりあえず現状維持! この感じの千歳で面白くできたらいいのかなと思っています!」

――3話までで印象的だったシーンを挙げていただけますか?

千本木「3話ではアフレコのシーンがありましたが、千歳の棒読み加減が鬼門でした。自分もまだ新人なので、あえて下手なお芝居をやらないといけないというのが、すごく不安で、棒読みをうまく表現できるかなと思っていました。どうしよう、あんまり変わらなかったら! というのがありまして。でもやってみたら、すごくウケていただいて、ホッとしました。このオーディションに受かったときは、千歳の演技が下手くそだというのも知っていたので、どうしようかなぁと思っていての3話で、『ついに来たかぁ!』という感じでした。でもOKが出たので、あとはもうこのまま行ければいいなと(笑)」

――確かに、新人でそれをやるのはメンタルに堪えますね(笑)

千本木「そうなんです! 今の私も下手くそだぞー! みたいな感じです」

――個性的なキャラクターがたくさん出ていますが、気になったキャラクターはいますか?

千本木「やっぱり九頭Pさんが面白くて(笑)。九頭Pさんと社長の会話は、1話のときから面白かったです。さすがだなって思いながら楽しく見ていました。その2人と一緒に、千歳が『がはは』と笑うところがあるんですが、そこは楽しくやらせていただきました」

――ブースでのおふたりのやり取りはいかがですか?

千本木「もう笑っちゃいますね! みんな下を向いて笑っています」

――実際、あんなプロデューサーがいたら、どうですか?

千本木「ちょっと困っちゃいますよね。1曲フルで歌っちゃおうか! はノリが軽すぎですよね。私は会ったことがないです(笑)」

――千歳の声優仲間では、気になったキャラクターはいますか?

千本木「千歳が一番強烈なんですが、八重はやっぱり本渡ちゃんでピッタリだなって思います。本渡ちゃんとは、歳は同じなので、千歳と八重に近いですね。八重との絡みは面白いです」

――印象に残っているシーンはありますか?

千本木「千歳が一回挫折するシーンです。自分が本当にできていないと感じるのですが、ちょっとは改心するのかな?と思ったら、全然変わらないみたいなところも、印象的ではありますね。そこまで気付いていて、『え? 結局気づいてないじゃん! 何だったの? あの落ち込みは!」と思いました。

――千歳がアニメの主役に決まったときの反応を、自分と比較してどう思いました?

千本木「千歳の場合は『これから人気声優になるんだ!』みたいな感じでしたけど、私の場合は、不安しかないです(笑)。もちろん、『受かりました』と聞いたときは、『やった!』と思うんですが、そのあとすぐに『いや待てよ!』と。『どうしよう、やばい! 私やばいぞ!』という感じになりますね。今のままでいいのか? みたいな気持ちになります(笑)」

――逆に千歳の楽観的なところがうらやましいですか?

千本木「私も根本的には楽観的なほうではあるんです。だけど、あそこまではいらないですね(笑)」

――作中では、急にアニメのテーマ曲を歌うことが決まりましたが、実際はどうなんでしょうか?

千本木「OP&EDテーマ、劇中歌も歌ったんですが、そのときは、『オープニング歌いますよ』って、さらっと言われる感じでした。だから、あんなふうに呼び出されて、『君たちCDデビューしちゃいます!』みたいなことはなかなかないと思います」

――イベントのシーンなどはいかがでしょう?

千本木「打ち合わせのシーンは、わりとその通りですね。先行上映会なんかはあのくらいの打ち合わせで、そんなに最初から最後まで、ここで何をしゃべってとか打ち合わせはしないです。『ここから来ていただいて、こんな感じで答えていただいて』みたいな話をするぐらいですね」

――イベントでのトークシーンもありますが、実際に気をつけてることはありますか?

千本木「かぶらないでしゃべろうということですね。あとは何とかなるだろうと(笑)。1人だとダメなんですけど、何人かでイベントに出るときは、質問事項は決まっているので、こんなことを話そうかなぁというのは考えていきますが、あとはその場のノリで」

――実際にアニメでもあるように、話すことを先に言われちゃうこともあるんですよね?

千本木「ありますね。なので、挨拶で順番が最初のほうのときは、いっぱい話しすぎないようにしたり。事務所に入る前なんですが、研究生のときに何人かでイベントに出たんですが、最初の子が全部言ってしまって、みんな言うことがなくなっちゃうということがあって。後ろの人のことも考えないといけないんだなと、そのとき思ったので、あれもこれも話さないようにはしています。でも、先輩方のコメントは、やっぱりすごいなと思います」

――千歳はモノローグで毒舌になったりしますが、演じるポイントなどありましたか?

千本木「結構ズバッと言う感じのモノローグなので、きつくやりすぎちゃうと怖くなってしまうんです。なので、そこの加減というか、かわいさは残しつつ、さらっという感じですね」

――お兄さんの悟浄くんについての印象を教えていただけますか?

千本木「1話や3話で、悟浄くんに泣きついている千歳を見ると、やっぱり兄妹だなって思います。シスコンだし、ブラコンだし、みたいな。態度はドライですけど、やはりお兄さんのことは好きなのかなと思っています。悟浄くんも、やっぱり千歳のことを気にかけていますし」

――最後に、4話以降の気になる点を教えていただけますか?

千本木「作品の中では、アニメの収録が始まり、放送も始まってという話になってくると思うので、千歳がメインヒロインを担当するアニメがどうなっていくのかが気になりますね。現場を経験して、八重、京、千歳の新人3人がどう変わっていくのかに興味があります。根本的に『性格がクズ』と言われている千歳が変われるのかは謎ですが(笑)」

TVアニメ『ガーリッシュ ナンバー』は、TBS、チューリップテレビ、サンテレビ、BS-TBSにて放送中。各詳細はアニメ公式サイトにて。

(C)Project GN/ガーリッシュ ナンバー製作委員会