自分で作るならどんな和食?

外国人に「和食」と尋ねる、おそらく寿司などの高級料理を思い浮かべることが多いだろう。しかし、当然ながら日本人は寿司を毎日食べるはずもなく、もっと素朴な家庭料理が毎日の食卓に上がるわけだ。外国人も、日本に長く住めばそんな料理をキッチンで自ら作ってみたり、食べたりすることも多くなるはず。それでは、母国と全く異なる家庭の和食の中で、彼らのお気に入りはどんな料理だろうか。気に入っている理由も含め、日本在住の外国人20人に聞いてみた。

カレーライス

・「よくカレーを作ってます。と言ってもカレーは日本料理ではありませんが。日本のカレーと言った方がいいのでしょうか。非常に簡単だからです」(タイ/30代前半/男性)

・「カレーライス(日本式)。食欲そそる、手軽、野菜が食べられる」(パラグアイ/30代前半/女性)

・「カレーライスです。やっぱり手軽さかもしれません」(モンゴル/30代前半/男性)

・「やっぱりカレーライスの場合が多いと思う。甘口のバーモンドカレールーで作って、子供たちに好かれている」(ハンガリー/30代前半/女性)

・「カレーです。スーパーでカレーのルーを買って、ジャガイモやニンジンなど、好きな具材を入れるだけで、とっても便利です」(香港/20代後半/女性)

みそ汁・納豆

・「みそ汁。味も好きだし、寒い時に身体を温める」(ロシア/20代中半/女性)

・「みそ汁、納豆などをよく食べています。健康的で低カロリーであるところが魅力的です」(ウクライナ/30代前半/男性)

天ぷら

・「家でよく天ぷらを作ります。作り方が簡単で、野菜もいっぱい使ってヘルシーです。また、お手頃な価格で作れるのでお財布にも優しいです」(ルーマニア/30代前半/女性)

・「おでん・天ぷら。おでんのもとがありますので、簡単に作ることができます。天ぷらの場合はいろいろな食材が使えるので、楽しいです」(インドネシア/40代前半/女性)

麺類・鍋物

・「うどん、そば。麺のゆで時間がパスタより短く、簡単に作れる。めんつゆと野菜ちょっとで作れて安く済む」(韓国/20代前半/男性)

・「私は日本に住んでいますので、けっこう日本料理を作ります。日本のスーパーに売っている食材は一般的に日本料理のためですから。例えば、夏は冷やし中華をよく作りますが、冬だとよく鍋料理を作ります。気に入っているところは作りやすいということです」(スペイン/30代前半/女性)

鉄板・フライパン系

・「お好み焼きです。肉を入れるかどうかも選択できるし、手軽に作れるので気に入ってます」(インド/40代前半/男性)

・「ブラジルでは日本料理をレストランでしか食べません。なま物の調理などが苦手で焼く料理が多いため、餃子や焼きそばなどが家で頻繁に作られます」(ブラジル/20代後半/男性)

・「よく生姜焼きを作っています。気に入っている理由は、まず生姜が好きで、こんなに生姜をそのまま楽しめる料理はアメリカになかなかないからです。あと、割と早く作れるのもポイントです」(アメリカ/30代前半/女性)

魚料理

・「よく作るのは焼き魚です。気に入っているところは味がシンプルで調理しやすい。ご飯にも合う」(中国/30代中半/男性)

・「家では刺身をよく作ります。簡単でヘルシーだからです」(フランス/30代前半/男性)

お気に入りがいろいろ

・「自宅でよく食べる日本料理は、焼きそば・親子丼・ラーメン・カレーライスなどです。気に入っている点は、作りやすいことです。お米もいろんな料理によく合うと思います」(イタリア/30代前半/男性)

・「子持ちの家庭ですので、最近はあまりゆっくり料理する時間がなくて、簡単な和食を作るのがほとんどです。丼ぶりもの(親子丼、牛丼)、カレー、シチュー、鍋物など。おいしくて健康的だし、子供も食べてくれるし、2日間も持つ料理もあるので便利です」(ハンガリー/30代前半/女性)

・「そうめん、わかめ味噌汁、カレー。ベトナム料理の味と近い、作るのが簡単、食べやすい、健康にいい」(ベトナム/20代後半/男性)

和食を作らず

・「フィリピンの家では日本の料理は作りません」(フィリピン/40代前半/女性)

総評

今回のアンケートでは、20人中8人の回答に「カレー(日本版)」が登場した。国民的定番料理が多くの外国人に"お気に入り"と称されるのは、日本人としてうれしい限りではないだろうか。そのほかの料理も、いずれも日本人なら誰もが親しんできた料理だろう。

お気に入りの理由は、「簡単に作れる」「ヘルシー」というものが多いようだ。近年、寿司や豆腐料理がヘルシーだと海外でもてはやされているが、実際に日本国内にいて、日本人が日常で食べている料理についても同様に感じてくれているところを見ると、和食は本当にヘルシーなものが多いのだろうという気がしてくる。

また、「お好み焼き」がお気に入りの理由で、「肉を入れるかどうか選択できる」(インド/40代前半/男性)というものがあった。宗教によっては、食肉(または特定の肉)を禁止している場合もある。確かに、お好み焼きのような料理は、さまざまな宗教の人が一度に鉄板を囲んでも問題なく作れるだろう。これは、世界的になかなか優秀な日本料理なのかもしれない。

調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート

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