明治安田生命保険相互会社はこのほど、「敬老の日」(9月19日)にちなみ、シニア層と若年層の世代間ギャップをテーマにアンケート調査を実施した。調査は8月6日~7日、20~79歳の男性・女性1,080人を対象にインターネットで行われた。

20代の4人に3人が現金主義

スーパーやコンビニエンスストアで買い物をする時に、よく利用する支払い方法を聞いたところ、最も高かったのは「現金」で69.9%となり、特に20代では75.0%が「現金」と回答した。

支払い方法の利用状況

20代では「金券・商品券」や「デビットカード」、「iTunes などのカード」のスコアがほかの世代よりも高い一方で「電子マネー」の利用率は低く、60代と同水準の結果に。また、30代は「現金」のほかに「クレジットカード」「電子マネー」「ポイントカード」を選ぶ人が多いようだ。

「現金」のスコアが最も低かったのは40代で、66.7%。一方、「電子マネー」のスコアは36.1%と、全世代で最も高い結果となった。特に男性40代では46.7%の人が「電子マネー」を選択していた。50代以上は「クレジットカード」を選択する人が増加し、最も「クレジットカード」を選択したのは、60代で35.6%。

またライフスタイル別に見ると、「親と同居(配偶者・子どもなし)」の人は「現金」を選択する傾向が高く、「一人暮らし」や「配偶者と同居」の人は「クレジットカード」や「電子マネー」を選択する傾向が高くなることが分かった。

5万円の臨時収入があったらどうする?

臨時収入(5万円)があったら

もしも5万円の臨時収入があったらどうするか聞くと、全体のスコアでは「貯金する」が最も高く42.3%、次いで「旅行に行く」(18.4%)だった。

世代別では、20代は「貯金する」を選択した人が48.3%と、最も高いスコアを記録。一方で、40代以上では世代が上がるにつれ「貯金する」を選択した人は減少傾向となった。また、60代以上は「旅行に行く」を選択した人が29.2%と、全世代平均のスコアを10.8ポイント上回った。特に70代のスコアはほかの世代と比べて突出して高く、およそ3人に1人が選ぶ結果となった。

20代でも「車」「ブランド品」への消費意欲は高い!?

消費意欲の有無 欲しいもの・したいと思うこと

欲しいもの・したいと思うことなど消費意欲について聞いたところ、全体のスコアでは「家電」が34.4%で1位、「海外旅行」が31.0%で2位、「車」が26.0%で3位となった。

20代で「家電」に次いで高かったのは「靴」で24.4%。男女別に見ると、男性20代は「家電」に次いで「車」と「靴」のスコアが高く、女性20代では「海外旅行」や「靴」が高いことに加え、「ブランドのバッグ」や「ブランドのアクセサリー」のスコアも高い結果となった。 「海外旅行」を選択した人は、女性50代・60代が43.3%と最高値で、20代・30代よりも「海外旅行」のスコアが高かった。

明治安田生命チーフエコノミストの小玉祐一氏は、次のように分析している。「若者の『クルマ離れ』『ブランド離れ』が俗説であり、消費意欲が強いことが示されたのは興味深い結果と言えます。日本の個人消費の低迷が長引く要因として、『欲しいものがなくなった』等の説明がなされることがありますが、非正規社員の増加や賃金の伸び悩み等、別の問題が大きいのかもしれません。また、消費者側のニーズを適切に捉える企業側の工夫がなされれば、個人消費を刺激できる余地があることも示しています」。