大手航空会社比べてかなり運賃が安いLCCですが、デメリットもあります。

デメリット1「行きたい日が安いとは限らない」

先に、料金が安い! おトク! と記述しましたが、行きたい旅行日程が1番安い金額設定の日とは限りません。日程によっては、そんなにおトク感がないこともあるので、必ず各社の料金を確認し比較しましょう。

デメリット2「機内サービスは最低限」

LCCは低運賃を実現するために、徹底したコストカットを行っています。そのため、機内サービス(機内食、ドリンクサービス、エンターテイメント、ブランケットなど)は基本ありません。

あっても有料になりますので、機上前に飲み物や食べ物、寒がりな方はブランケットなどを用意しておく必要があります。でも、逆に深夜便などの場合、ワゴンサービスの喧騒で起こされなくていいというメリットもあります。

デメリット3「遅延トラブルが起きやすい」

LCCは機体を可能な限り運行させる、要するに空港に留め置く時間をなるべく少なくし、フライト本数を多くすることで、安い運賃でも利益があがるようなスケジュールを組んでいます。そのため、一度機体に故障などが出ると、その後の運行に連鎖して遅延、欠航といったトラブルが起こります。

デメリット4「フライトキャンセルは基本自己解決」

そして遅延の発生で、最終フライトが空港施設の利用可能な時刻を過ぎてしまい、夜に突然のフライトキャンセルとなることもあります。その場合、自力解決、自己負担が基本です。

国際線で1日1便しかないフライトが機材故障で欠航になったとき、大手航空会社では同日の他社便へ振替手配をしてくれたり、それがかなわないときは、宿代、夕食、朝食代を負担してくれ、翌日の便へ振り替えてくれたりしますが、LCCの場合、翌日以降の「空いている便」への振替しかしてもらえません。その日の宿などは自分で手配する必要があります。翌日の便が満席だったら、さらにその翌日の便…となっても誰にも文句は言えません。

そもそも、約款で「出発地の○○○から目的地の■■■への運送を受託しましたが、日時、経路を保障するものではありません」となっているため、仕方がないのです。

余談ですが、実はこの9月に台北旅行を計画し、くまのマークがかわいいと評判のV-airの羽田-台湾桃園のチケットを往復購入していた筆者。ニュース等でご存じの方もいることと思いますが、V-airは9月末で運航終了し親会社のトランスアジア航空に吸収合併されることになりました。

そのときの会社の対応としては、トランスアジア航空に振り替えしてくれましたが、振り替えられた便は、行きが予定していた便の翌日の夜発。そして帰国便は、予定していた日の早朝便。トータルの滞在日数が約2日短くなってしまうということで、この振り替えられた便をキャンセルし、他の会社のフライトを予約しなおしました。通常LCCの1番安いチケットには、変更や返金の対応がないものが多く、それもデメリットといえます。

デメリット5「荷物制限が厳しい」

手荷物、預け荷物とも重さ制限が厳格なのもデメリットでしょう。「手荷物で入ろうと思っていたのに、重さで引っかかり、預け荷物にする羽目になって、カウンターで料金を取られた。しかも、その料金が事前に預け荷物を申請したときの料金より高額だ!」というような話はよく聞きます。

LCCの1番安い料金は基本手荷物と自分の体の分の運賃となり、預け荷物は別途有料になります。また、手荷物で持って入れるバッグの大きさも会社によって規定が異なるので注意が必要です。

※運賃などの情報は全て2016年8月1日時点のもの(回遊舎調べ)。

【後編では「LCC手荷物攻略法&おすすめスーツケース」を紹介します】

株式会社回遊舎


"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。