2016年4月より日本テレビほかにて放送されているTVアニメ『エンドライド』。キャラクター原案を漫画家の萩原一至、和月伸宏が手掛けるオリジナルアニメとして話題の本作も、いよいよ佳境に差し掛かってきた。

大橋彩香(おおはしあやか)。1994年9月13日生まれ。ホリプロ所属。主な出演は『アイドルマスター シンデレラガールズ』島村卯月役、『アイカツスターズ!』香澄夜空役、『てさぐれ! 部活もの』田中心春役など。アーティストとしても精力的に活動している
撮影 メインカット:西田航(WATAROCK)、インタビューカット:河邉有実莉(WATAROCK)

今回はヒロイン・アリシアと共に行動するキャラクター・ファラリオンを演じる声優の大橋彩香にインタビュー。アフレコが進んだいまの作品に対する想い、そしてまだアフレコ前だという最終話についてうかがった。

学んだことは、体全体でキャラクターを表現すること

――『エンドライド』の物語も佳境に差し掛かってきましたが、改めて、大橋さんが演じているキャラクターについて、教えていただいてもよろしいでしょうか?

はい! 私が演じているファラリオンというキャラクターは、いつもアリシアの肩に乗っかっているドラゴンのような生命体です。また、アリシアの化宝具(※)なので、戦うこともあります。ただ、普段は表情豊かで見た目も可愛い、マスコット的なキャラクターですね。

(※)化宝具……かほうぐ。水と大地が入り組んだ、地球の裏側にあるといわれている世界「エンドラ」で使われている不思議な道具。「エンドラ」でも使える者は限られている。剣や槍、ファラリオンのような特殊なタイプのものなど、使用者によって形や能力が異なる。

――見た目は本当に可愛いですね! でも、アリシアがピンチに陥ったときに現した正体には驚きました……。

あんな可愛らしいマスコット的キャラクターが、実はアリシアのお父さんだったとは……私は最初から知っていたんですけどね(笑)。

――そうなんですか!? 「Anime Japan2016」のステージで、「中身はおっさんかもしれないです」と笑いながら話されていたので、知らないものだと思っていました。

実はアニメで発表されるまでは含みを持たせつつ、隠していたんです。

――なるほど。演技でもその辺りは注意されたのですか?

普段「父親」としての意識はファラリオンのなかで眠っているので、演技で具体的に何か注意した、ということは特になかったですね。むしろ、ファラリオンは、作品の癒しだと思っているので、そのポジションを忘れないように演じています。例え、シリアスなシーンであっても。

ファラリオン

――さきほどもマスコット的なキャラクターとおっしゃっていましたもんね。視聴者だけでなく作中のキャラクターも、ファラリオンに癒されていそうです。以前、『ドキドキ!プリキュア』でもマスコット的な妖精・ランス役を演じられていましたが、そのときと表現方法は異なりますか?

違いますね。『プリキュア』のときは、一応、人の言葉を喋っていたのですが、今回は「みゅー」としか喋れないので。だから、ファラリオンを演じているときは「みゅー」という言葉だけで、ちゃんと喜怒哀楽を表現できるようにしています。台本に「みゅー」とだけ書いてあっても、「みゅみゅ?」と言うなど、尺内で自由に演技させていただいていますね。

――短めの尺が多そうなので、感情表現が難しそうです。そんなファラリオンを演じてみて、学んだことはございますか?

全身を使って、自由にお芝居することですかね。

――自由にお芝居をする?

はい。私、今まではわりと台本にとらわれた芝居をすることが多かったのですが、ファラリオンはむしろ台本がなくてもできるくらい、自由にやらせてもらっています。体全体を使い表現することで自分とファラリオンの気持ちがリンクし、それが声帯を通じてわっと出る感じ。体を動かして表現することがお芝居のすべてではないですが、今までは文字ばかり見ちゃってお芝居に影響するときがあったんです。なので、台本があってもそれにとらわれすぎない、ということを学んだ気がします。

異世界で戦うなら、スナイパーでありたい

――先ほどまでは演じられているキャラクターのことが中心でしたが、今度は作品のことについてのお話をうかがえればと思います。物語もいよいよ大詰めといった感じですが、今までを振り返ってみて、作品にどういう印象を持たれていますか?

そうですね。アニメが放送される前から言われていることですが、本当に王道のファンタジーもので突き進んでいる、と感じています。また、アニメオリジナル作品で、物語がどう進んでいくのか演者もわからないので、ワクワクしています。

――主役の一人である浅永瞬が異世界「エンドラ」に飛ばされるなど、ファンタジー要素も満載の作品ですね。

はい。瞬ともうひとりの主役であるエミリオが成長していく過程や、異世界での冒険というのも作品の魅力だと思っています。

――大橋さんは瞬のように異世界に飛ばされてもポジティブにやっていけそうですか?

あー、異世界に行ってみたい気持ちはありますが、私、一瞬で死んじゃいそうなんですよね(笑)。飛ばされた場所が悪く、すぐにモンスターに襲われて。だから、めっちゃ強い装備でレベルも高い状態で飛ばされたいです。強く、戦える人間でありたい。

――では、もし化宝具を持つとすれば戦闘系のものがよい?

そうですね。飛び道具の化宝具を持ってスナイパーをやりたいです。死角から「へっへっへ」という感じで敵を狙いたいですね。

――飛び道具がお好きなんですね。ゲームでも飛び道具を使うキャラクターを選ばれるのですか?

ゲームだと基本は双剣使いです! ただ、自分だと双剣は扱えないと思うので。あと、切られたくない。

――かなりリアルに考えていらっしゃいますね(笑)。リアルを追及していくなら、異世界だと食べ物にも気を付けたほうがよさそうですね。『エンドライド』でもエンドラに住む人と瞬では味覚が違う、といったリアルな描写がありました。

確かに、ありましたね。すごい色の食べ物でしたが、ファラリオンはパクパク食べていました。でも、エンドラの料理は私も合いそうにないなぁ……。海外に行くときでも、食事を気にしちゃうから。

――アーティスト活動やイベントで海外に行かれることがあると思いますが、食事は日本のほうが合っているといった感じですか?

基本は日本の食事でいいかなと思っています。私、食わず嫌いなので、ダメだと思った料理は最初から「ノーセンキュー」という感じなんですよ。あとシーフードも苦手。あっ、でも台湾で食べた小籠包と、シンガポールで出てきたチリクラブはとても印象に残っています。

――チリクラブは蟹を使った料理ですよね? 魚介類でも食べられた?

いえ、チリクラブ自体は食べられなかったのですが、それについていたもちもち食感の甘いパンみたいなものが、めちゃくちゃおいしくて! ずっとそれを食べていました。

――やっぱり魚介類はダメだったんですね(笑)。でもパンのようなものは相当気に入られたようで。

あれは、通販で取り寄せたかったなぁ……。