9月17日公開の映画『怒り』の完成報告会見が11日、都内で行われ、主演の渡辺謙をはじめ、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、佐久本宝、ピエール瀧、三浦貴大、高畑充希、原日出子、宮崎あおい、妻夫木聡、李相日監督、原作の吉田修一、川村元気プロデューサーが出席した。

前列左から李相日監督、綾野剛、妻夫木聡、渡辺謙、宮崎あおい、松山ケンイチ、広瀬すず、森山未來、後列左から吉田修一(原作)、原日出子、高畑充希、三浦貴大、ピエール瀧、佐久本宝、川村元気プロデューサー

数々の映画賞を総なめにした2010年公開の映画『悪人』。そんな同作を手掛けた李相日監督と原作の吉田修一が再びタッグを組んだ本作は、東京・八王子で起きた殺人事件の真相に迫りながら、「信じるとは?」という根源的な問いを投げ掛けるヒューマンドラマとなっている。

主演の渡辺は「日本を代表する豪華キャストの映画が今年はたくさんありますが、本当に素晴らしい俳優たちが魂をぶつけ合った演技をしています。それをリードした李さんは本当に素晴らしい監督で、敬意と尊敬を表します」と豪華キャストを指揮した李監督を絶賛。渡辺をはじめキャスト陣が賞賛する李監督との仕事を自ら熱望し、オーディションを受けてまで役を射止めたという広瀬は、李監督に厳しく指導されたそうで「監督がご飯を食べている姿を見て、『監督も人間なんだ』って思いながらやってました(笑)」とロケ中の胸の内を明かしつつも「リハーサルを何度も繰り返してたら分からなくなり、監督が『"馬鹿野郎"と叫んでいいよ』言われて、叫んだら『よし!』と楽になりました」と李監督の一言で救われたという。

広瀬と同じく李監督と初めて仕事をした宮崎も「もちろん厳しかったですが、そこに愛情があることもきちんと伝わっていました。私は普段人とお話をしませんが、今回物凄く李監督とお話をして、今までで一番監督とお話をしました。すごく見てくださっているのが伝わってくるので、ありがたかったです」と李監督の優しさに感謝していた。

その宮崎と親子の役を演じた渡辺は「あおいちゃんはすごい真面目でストイック。現場では1人ポツンとしていたので、引きずり出して『ここにいなさい!』と言って話をしたりしました。距離感を縮めるじゃないですけど、関係性を築けたのは良かったと思います。面倒くさかった?」と問いただすと、当の宮崎は「いえいえいえ(笑)。現場で『お父ちゃん』と呼んでいたし、一緒にいるのが自然だと感じました。撮影期間の2週間は濃い時間を共有させてもらった気がします」と感激しきりで、渡辺について「周りから本当に愛されていて、スタッフや役者がこの人に付いていこうと思わせるものがあり、それを間近で感じられて、私にとっては宝物だと思います」と話していた。映画『怒り』は、9月17日より全国公開。