茶農家の手作りスイーツを

仁淀川流域では地域資源を活用した特産品づくりも盛んだ。例えば「池川茶園スイーツ工房」は、茶農家のお母さんたちの手作りスイーツが人気のショップ&カフェ。大人気の「プレミアム茶畑プリン」(税込378円)は高知空港などでも販売される話題の商品だが、店内にはロールケーキやみずもち、自家製ソフトなど、お茶スイーツが充実している。カフェスペースは仁淀川に面し、川音を聞きながらゆっくりくつろげる絶景テラス席もある。

茶農家の手作りスイーツが人気のカフェ・ショップ「池川茶園」。仁淀川の支流「土居川」を臨むテラス席があり、春には対岸の山に美しい花桃が咲く

「プレミアム茶畑プリン(かぶせ茶)」(税込378円)や「自家製ほうじ茶ソフト」(税込310円)等をそろえている

イチローも通った「大正軒」でウナギを頬張る

仁淀川町のお隣(池川茶園や中津渓谷から20km余り、車で約30分)にある佐川(さかわ)町は近年、町並み散策が人気だ。淡麗辛口の土佐酒の代表銘柄「司牡丹酒造」の蔵など、歴史的建造物が立ち並ぶ古い街並みではガイドツアーや蔵見学など体験型観光も楽しめる。

司牡丹のお酒のショールーム「ギャラリーほてい」等、建物からも歴史が伝わる

江戸中期より佐川で酒造業を営んだ「旧浜口家住宅」は2013年に観光受け入れ施設として整備され、土産物販売や休憩所として活用されていて、さかわ観光協会の事務所ともなっている。ここには佐川特産のニラを使ったご当地佃煮「俺の佃煮」(税込540円~)や佐川名物「地乳蒸し饅頭」(2個/税込300円)など、実にユニークな商品が多い。

酒造業を営んでいた「旧浜口住宅」は今日、観光施設として開放されている

土産屋も軒を連ねている。「俺の佃煮」(税込540円~)はクスッと笑ってしまうデザイン

佐川で有名なご当地グルメといえば、イチロー選手も訪れたという大正2年(1913)創業の老舗うなぎ専門店「大正軒」もある。完全予約制で到着に合わせて料理を提供してくれ、全て個室で味わえる。野球好きの大将は多くのプロ野球選手と交流があり、店内には有名選手との写真やユニホーム等の野球用品も展示されている。

大正軒の「うなぎ定食(桜)」は、香の物とお吸い物付で税別2,160円

今回紹介しきれなかったが仁淀川町、佐川町以外の4つの街も見どころやグルメが目白押しだ。ぜひ、仁淀ブルー観光協議会のホームページで確認してみてほしい。

※記事中の情報は2016年6月のもの

筆者プロフィール: 水津陽子

フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。