「若者のクルマ離れ」と言われる現在。果たして車はどのような形で利用するのが一番お得なのでしょうか? マイカーを購入した場合、レンタカーを借りた場合、シェアリングサービスに登録した場合の3通りで、それぞれのメリット・デメリットを徹底検証しました。
マイカーは新車にする? それとも中古車?
家族がいる人や、頻繁に車を使う機会がある人は、やはり自分の車を持つのが一番お得といえるでしょう。購入するときにまず迷うのが、新車と中古車のどちらにするかということです。
新車のメリットは、何よりも保証期間が充実していることです。一般的に、3年間または6万キロは新車保証期間となっていて、自分でぶつけた場合などを除き、無料で修理を受けられます。また、オプションを好きなようにカスタマイズできるのも新車ならでは。サンルーフをつけたり、シートの素材を選んだりと、車好きには大きな楽しみです。
デメリットとしては、予算と車種で絞ると新車は意外にも選択肢がありません。多くて4~5台の中から選ぶことになります。また、購入費がかさみがちなのもお得度でいえば下がってしまうといえるでしょう。
中古車の一番のメリットは、やはり価格の手頃さです。購入費を抑え、同じ予算でも選択肢の幅が広がるのが、新車にはない大きなメリットです。さらに、種類の多さは中古車に軍配が上がります。新車の場合は、モデルチェンジはもちろん、マイナーチェンジをした場合でも過去のものは市場に出回らなくなります。中古車で探せば、時には想像もつかない掘り出し物に出会えることも。
一方、中古車で気になるのが、保証や修理代です。やはりこれまで使われていた車に乗るわけですから、整備の必要も増えてきます。販売店が独自に保証を附帯していることも多いので、そういったところで購入することが重要です。
エコカー減税は新車が圧倒的有利
エコカー減税は「排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車」に適用されるとされています。この制度で免税になったり、軽減されたりするのは自動車を購入するときにかかる自動車取得税、車検のたびに払う自動車重量税のふたつの税金です。こちらはやはり性能の高い新車が有利です。中古車でも全く適用されないことはありませんが、一部の高年式(新車登録から3年以内の車)など対象はかなり限られてきます。
自分の乗りたい車に乗るなら、レンタカーがオススメ
旅行先だけで車に乗る人や、いろいろな車や高級車に乗りたい人には、レンタカーがおすすめです。
メリットは、何よりも自動車保険や車検などの維持費がかからない点です。また、移動先で借りることができ、特に遠くに行くときに現地まで自分で車を運転していく必要がないのもポイントです。もちろん帰りも同様で、労力がかからないのはうれしいポイントですね。さらに、用途に合わせて様々な車を選べるのも利点です。デートのときはちょっとぜいたくに、友達と旅行する場合はワゴン車、近所への買い物には軽自動車など、選択の幅が広がります。
デメリットとしては、慣れない車種を運転することが多く、その分事故のリスクも上がります。車幅の間隔や後方視界の認識でズレが多いため、注意して運転する必要が出てきます。また、フレキシブルさという点ではやはりマイカーに劣ります。レンタカーを使用するにはお店まで足を運ぶ必要があり、急な用事ですぐに車を出したいというときには不便です。また、予約が必要であったり、急に予定がずれたり場合はキャンセルしなければならないこともあります。トラベルコちゃんなどのインターネットのレンタカー比較・検索サイトを使うことで、この手間を軽減することができます。
必要なときにたまに乗るだけなら、断然カーシェアリング
こちらも車を共同で使用するサービスですが、レンタカーと違い、会員登録をした人のみが使用できます。週末だけしか乗らない、都心に住んでいて車を持つ必要がない、車を持ちたくはないがたまに車に乗りたい人などは検討の価値が十分にあるといえるでしょう。
メリットとしては、短いものでは10分からなど、短時間の利用がでる点が挙げられます。配置場所もコンビニエンスストアの駐車場など、近くて便利な場所に設定されています。また、費用もレンタカーより安価に設定されていることが多いです。
デメリットとしては、こちらも予約が必要なことが挙げられます。また、分単位でレンタル時間が設定されている分、時間延長に関してもシビアな面があります。
近年ではタイムズカープラスやカレコ・カーシェアリングクラブ、オリックスカーシェアなど多くのサービスが登場しています。
昔は車を所持するのが当たり前の時代でしたが、借りて乗ったり、シェアしたり、今は選択肢がたくさんあります。まずは自身のライフスタイルと照らし合わせることで、自分なりの一番お得な方法を是非見つけてみてください。
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。