もうすぐ4月。新卒転職問わず、新しい社員が入社することの多い時期であり、人事異動で新しい勤務地に行くことになる人も多いはずだ。そんな中で、定期券を新しくするという人も多いだろう。

さすがに磁気式の定期券を使用している人は少ないものの、ICカードの定期券を使用している人は多いはずだ。しかし、現金でICカードの定期券を買っていては、ICカードの定期券のメリットを生かせない。では、何を使って定期券を買うべきか――利用する鉄道会社の、クレジットカードである。

鉄道会社のクレジットカードで定期券を買うべき理由

鉄道会社のクレジットカードは、一般には鉄道の利用で普通のお店などでカードを使用した場合よりも還元率が高い。たとえばJR東日本の「ビューカード」では、1,000円の使用につき5円相当還元されるところを、きっぷや定期券の購入、Suicaへのチャージでは、15円相当還元される。

正社員の場合、定期券代は、「通勤手当」などといった名目で、給与といっしょに支払われることがほとんどだ。しかし、給与の振り込みは働いてからなので、現金だと先に自ら建て替えて定期券を買うしかない。

また、会社が定期券の代金を手当として支払うものの、定期券を買うのために駅に行き、実際にお金を出すのは働いている人自らである。その際に、鉄道会社のクレジットカードで支払い、自らのポイントにするというのは、合理的ではないだろうか。

ポイントも貯まり、立て替え払いとして給与振り込み後に実際の支払いもできる。だから、鉄道会社のクレジットカードで定期券を買うべきなのだ。

交通系ICカードとクレジットカードで便利に利用できる鉄道

交通系ICカードとリンクした鉄道系クレジットカード、あるいは交通系ICカードと一体となったクレジットカードを持つことにより、都市部での鉄道の利用をスマートに行うことができる。ICカード定期券にチャージしておくことによって、定期券のエリア外での利用でも、エリア内とエリア外の相互利用の精算を、自動的に行うことができ、スムーズに改札を抜けられる。

この場合、ICカードにチャージされている金額が一定額以下になったら、改札を通った際自動でチャージされる「オートチャージ」という機能を設定しておくと、いちいち券売機でチャージしておかなくてもすむ。

また交通系のICカードは、コンビニや駅の売店や・自動販売機などでも使用することができる。現金での会計よりもスムーズに支払いすることができるため、あわただしい時間でも時間を節約できる。

ただし、いくら残額がICカードの中にあるかは、常に確認しておかなくてはならない。改札や駅売店、自動販売機での残額表示は、あるいはコンビニでのレシートは、こまめにチェックしよう。

周辺商業施設で役立つ鉄道系クレジットカード

鉄道系クレジットカードは、鉄道会社の系列の商業施設でも便利に使用することができる。私鉄ならば、系列の百貨店やスーパーマーケットなどでもポイントを他のクレジットカードよりも多く貯めることができる。また、JR各社の駅ビルなどの商業施設でも、ポイントを優遇しているところが多い。

私鉄、とくに東急や小田急、京王などは鉄道と、鉄道を利用する人々の生活を一体として考えているところが多く、その鉄道ライフの鍵となっているのが、鉄道系クレジットカードと交通系ICカードである。

新生活、鉄道系クレジットカードと交通系ICカードの組み合わせにより、効率的に日常をすごしてはいかがだろうか。

著者プロフィール: 小林拓矢
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会 に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出 た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。

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