――今回、松本さんと久しぶりに再会されていかがですか?

最初に企画の話をしたのが去年の秋ごろ。そこから、台本を作る前の段階から食事がてら打ち合わせをするなど時間を積み上げてきましたが、僕自身4年間ドラマから離れていてほかの作品をやっていたわけではないので、彼と7年ぶりという感覚はあまりなかったです。

――何か松本さんに変化を感じた部分などはありましたか?

一個一個こだわって、気になることは確認していくという姿勢は変わっていません。その上で、俯瞰(ふかん)力というか、作品全体を見つめる目線というのを培ってきているなと感じました。それはコンサートで演出を手掛けるなど全体像を見ている、あるいは、嵐というグループにおける自分のポジションを考えている、そういったことから自然と培われてきたのではないかと。その目線を持っているということは、役者さんとしてプラスだと思います。

――全体を見ているなと感じるのはどういう時ですか?

ドラマの中身を話していく中で、全体を考えてここの深山はどういう段階にあるべきなのかを考えているなと感じるんです。そういう意味でいうと、(深山とチームを組むことになる弁護士・佐田篤弘役の)香川照之さんも、深山というキャラクターが魅力的に見えるために佐田はどうあるべきかというように全体論の中で語られる。そういった視点をずっと持っている方なので、松本さんにとっても全力で芝居をぶつけていける環境なのではないかと思っています。松本さんと香川さんがどんな化学反応になるのか楽しみでしたが、最初からすごくいい感じです。

――本番のシーンでの松本さんと香川さんのかけ合いも見どころだと思いますが、いかがですか?

おもしろいですよ! お互い常に建設的にアイデアを出し合っているので、シーンに深みが出ています。また、こういう事件ものだと、どうしても段取りを説明しないといけないシーンがありますが、普通にやるとつまらない情報だけのシーンがおもしろくなるんです。香川さんを中心に片桐仁さんやマギーさんも、役者さんたち一人ひとりがかけ合いをおもしろくしようと思ってくれているので、つなぎの部分も魅力的になっています。

――アドリブのかけ合いという感じなのでしょうか。

そうですね。アドリブもお互い、「だったらこういう風に足そうか」というように意見を出し合っていて、どんどんおもしろくなるんです。

(C)TBS