富士急行8500系「富士山ビュー特急」のデビューに先立ち、関係者向けの車両展示会が6・7日に実施された。特急「あさぎり」で活躍したJR東海の特急形電車371系を改造し、水戸岡鋭治氏のデザインによる特別な列車に。4月23日から運行開始される。

「富士山ビュー特急」の車両8500系が関係者らに公開された

「富士山ビュー特急」の車両8500系は3両編成で、車両番号は1号車から「クロ8551(元クモハ371-1)」「モハ8601(元モハ370-101)」「クモハ8501(元クモハ371-101)」。さび朱色で塗装された「富士登山電車」の色彩を「富士山ビュー特急」にも取り入れ、モダンなメタリック塗装で表現した外観となっている。"水戸岡デザイン"の特徴であるシンボルマークやロゴタイプも、車体前面・側面に多数配置されている。

木を生かした車内空間も"水戸岡デザイン"の特徴のひとつ。「富士山ビュー特急」では、ゆったりとした懐かしいホテルのような移動空間をめざしたという。1号車は全席指定の特別車両で、運転室の後方に6名が座れるテーブル席とベンチ席(2カ所)を設置した。他に2名用・4名用のテーブル席も用意されている。ショーケースには地元の名産品が展示され、ウェルカムドリンクなどを提供するサービスカウンターも設けられた。

土休日には「スイーツプラン」を設定した「富士山ビュー特急」も運行され、特別車両(1号車)にて山梨の味覚を取り入れた特製スイーツを楽しめる。展示会では、富士急ハイランドオフィシャルホテル「ハイランドリゾートホテル&スパ」のシェフパティシエ、橋本道郎氏が手がけた「季節のマカロン(マンゴー)」「パティシエ特製フルーツサンド」「富士山麓卵のなめらかプリン」「旬果デザート(ガトーアンサンブル)」も紹介された。

1号車は特別車両。テーブル席の他にサービスカウンターも設置された

「スイーツプラン」設定列車の特製スイーツ

自由席(2・3号車)の車内。座席は回転リクライニングシートで、腰掛ピッチは1,000mm

2・3号車は自由席。座席は回転リクライニングシートで、各車両ともに2列ずつ異なるシート柄を採用している。2号車に車いすスペース・車いす対応トイレも設置された。自由席では土産品やオリジナルグッズの車内販売も行われる。

各車両の座席定員は、特別車両の1号車が26名、自由席の2号車が57名、3号車が60名。2・3号車の立席も含めた定員は計180名となる。8500系の最高運転速度は120km/hだが、線内最高速度は60km/hとのこと。「富士山ビュー特急」の大月~河口湖間の所要時間は50分前後となっている。同列車は4月23日から毎日運行(月1日程度、車両整備のため代替車両で運行)され、平日2往復・土休日3往復の運行ダイヤとなる。

土休日に運行される3往復のうち、2往復が「スイーツプラン」設定列車で、予約開始日は「ご乗車月の前月1日」とされた。料金(運賃・特急料金なども含む)は大人4,000円・小人3,000円。利用区間は大月~富士山間・大月~富士急ハイランド間・大月~河口湖間(富士山駅・富士急ハイランド駅・河口湖駅の各駅相互間の利用は不可)となる。

通常列車の特別車両は乗車日1カ月前から予約開始。料金は乗車区間の運賃に特急料金400円(都留文科大学前駅発着は200円引き)・特別車両料金900円を加えた額となる。自由席は通常列車・「スイーツプラン」設定列車ともに乗車区間の運賃と特急料金400円(都留文科大学前駅発着は200円引き)で利用できる。