メインキャスターを務める野村忠宏

昨年に柔道家を引退した野村忠宏が、フジテレビの柔道中継キャスターに就任することが28日、明らかになった。まずは、4月3日(16:00~17:25)に放送される『全日本選抜柔道体重別選手権2016』(仮)に登場する。

野村は柔道家として、1996年にアトランタ、2000年にシドニー、2004年にアテネと五輪3連覇の偉業を成し遂げてきた。今年は、同局リオ五輪中継の"オリンピアンキャスター"を務めることも発表されているが、「(今後は)自分が主役ではなく、若い選手たちを主役に引き上げる仕事をしていきたい」と現役引退表明した際に語っていた野村にとって、今回のキャスター就任は、その目標を実行に移す大きな仕事となるようだ。

今回行われる「全日本選抜柔道体重別選手権大会」は、4月2日と3日の2日間にわたって福岡国際センターで開催。各階級の日本一を決める大会であり、リオ五輪代表をかけた最終選考会となる。オリンピックに出場するためには、国内大会において好成績を残し、国際大会への出場権を得て、国際大会の成績に応じて与えられるポイントを獲得し、男女の各階級で世界ランキングの上位に入らなくてはならず、この大会が代表権獲得への集大成となる。

そのような重要な大会でキャスターを務めることについて、野村は「若干不安もあります」と吐露。しかし、「柔道を伝える仕事は、とてもやりがいのあることで、光栄」と感慨深げでもあり、「自分にも経験がありますから、選手のリアルな気持ちもわかりますし、自分が練習を見に行って気がついたことなどをつぶさに伝えていければ」と意気込みを語る。

また、キャスターとして選手と対談もするが、それについては、「指導者ではないからこそ伝えられることもある」と分析。「自分の経験や大きな大会に向かう選手の心構えなども伝えていくことで、選手にとってもいい影響を与えられたら」とアピールし、かつて第一線で活躍していた者ならではの向き合い方をしたいと示した。