JALは7月より、"ひとクラス上の最高品質"をテーマとする「JAL SKY SUITE(スカイスイート)」を国際線用の777-200ERに「JAL SKY SUITE 777(スカイスイート777)」として導入する。既存の777-300ER、767-300ER、787-8/787-9に続く今回のJAL SKY SUITEのビジネスクラスは「JAL SKY SUITE III(スカイスイートスリー)」とのこと。過去のJAL SKY SUITEシリーズとの違いを比べてみた。

7月より新しいJAL SKY SUITEが始まる

3代目はヘリンボーン型

同機は7月からの羽田=バンコク線への導入を皮切りに、羽田=シンガポール線へ、今冬にホノルル路線への拡大を予定している。777-200ERのビジネスクラスには、1-2-1配列で全席通路アクセス可能な新しいフルフラット型座席のJAL SKY SUITE IIIを採用。ベッド長は最大約198cm(座席位置によって異なる)、ベッド幅は最大約74cm、シート幅は約51~52cmとゆったりとしたプライベートスペースを確保した。なお、同行者とのコミュニケーションもできるよう、可動式のプライバシーパーティションも設置している。

JAL SKY SUITE IIIのシートはヘリンボーン型で、可動式のプライバシーパーティションを設置している

現行の777-200ERでは9.0~10.4インチだった個人モニターは、同機では17インチに拡大した。ビジネス利用にも対応すべく、PC作業などに適した収納式の大型ダイニングテーブルや、身の回り品を手軽に収納できる専用収納スペースを設置。また、全シートにユニバーサルPC電源やUSBポート、4段階に調節可能なLEDライトも完備している。なお、ビジネスクラス用のトイレには、温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」を装備している。

シートの高さは部位で自由に調整可能。個人モニターは現行より2倍近く拡大される

では実際、既存のJAL SKY SUITEシリーズとはどう違うのか。以下がJAL SKY SUITEシリーズのスペックである。777-300ERに搭載されているJAL SKY SUITEはスタッガード型、767に搭載されているJAL SKY SUITE IIは足元の空間を確保した通常配列型、今回のJAL SKY SUITE IIIはヘリンボーン型になっている。モニターのサイズや空間の占有率を考えると、JAL SKY SUITEが一番快適性に優れているように思われる。

777-300ERに搭載されているJAL SKY SUITE

767に搭載されているJAL SKY SUITE II

JAL SKY SUITEシリーズの概要

エコ、プレエコもこだわり空間を

777-200ERの「SKY SUITE 777」にはビジネスクラスのSKY SUITE IIIの他にも、プレミアムエコノミー「SKY PREMIUM(スカイプレミア)」と、エコノミークラス「SKY WIDER(スカイワイダー)」を展開。同機ではSKY SUITE IIIを42席、SKY PREMIUMを40席、SKY WIDERを154席の合計236席を設置する。

プレミアムエコノミー「SKY PREMIUM(スカイプレミア)」(写真はJAL SKY SUITE 787のもの)

2-4-2配列のJAL SKY PREMIUMは、既存の「JAL SKY SUITE 777」「JAL SKY SUITE 787」に導入されている座席で、座席ピッチは約107cm(一部座席を除く)、座席幅は約48cm(一部座席を除く)、個人モニターは12.1インチ(最前列は10.6インチ)となる。

一方のSKY WIDERは、777のエコノミークラスで一般的な3-3-3配列ではなく、2~4人連れの乗客にも配慮した3-4-2配列を採用。既存の「JAL SKY SUITE 777」「JAL SKY SUITE 767」に導入されている座席で、座席ピッチは約84~86cm(一部座席を除く)、座席幅は約47cm(一部座席を除く)、個人モニターは10.6インチとなっている。

エコノミークラス「JAL SKY WIDER(スカイワイダー)」(写真はJAL SKY SUITE 777のもの)

同機の全クラスには新機内エンターテインメントシステム「MAGIC-VI」を導入し、最新の映画や話題の楽曲を中心とした300を超える映画・ビデオ・オーディオなどのプログラムが楽しめる。客室照明には色彩豊かなLEDを採用するほか、既存の「JAL SKY SUITE 777」「JAL SKY SUITE 767」、一部の「JAL SKY SUITE 787」で導入している国際線機内インターネット接続サービスを利用できる。