電子決済化がもたらす経済効果は?(画像はイメージ)

ビザはこのほど、世界70カ国の経済成長における電子決済の影響を分析した2016年度調査の結果を発表した。それによると、2011年~2015年にかけて電子決済商品の利用が拡大した結果、対象70カ国のGDPが2,960億ドル(約33兆4,480億円)増加し、家計消費が年平均0.18%上昇したことがわかった。

電子決済の利用増で、年平均約260万人の雇用を創出

調査対象期間における実質消費は平均2.3%増加。うち0.01%はカード普及率の上昇によるもので、これはカード利用が消費量の伸びの約0.4%を占めていることを意味するという。消費の伸びは、平均的に新興経済国でより高くなっている。

また、電子決済の利用増により、年平均で約260万人の新規雇用が創出されたと推計。特に、平均雇用創出が最大だった中国とインドでは、労働生産性の急成長とカード利用の増加の相乗効果により、雇用が大きく拡大している。

カード利用増加の結果、新興国市場では消費が0.2%上昇、先進国では0.14%上昇。GDPに換算すると、新興経済国では0.11%、先進国では0.08%に相当する。

ビザから委託を受け今回の調査を実施したムーディーズは、電子決済利用が将来1%増加すると、消費は年平均約1,040億ドル(約11兆7,520億円)拡大すると試算。今後、すべての要因が同じであると仮定すると、カード利用により各国のGDPが年平均0.04%増加することになるという。

日本についてみると、国内総生産のうち107.4億ドル(約1兆2,136億円)の成長に貢献し、年平均2万7,840件相当の雇用を新たに創出したと推計している。