妊婦は注意が必要だ

WHOは3月8日、ブラジルなどの中南米を中心に広がっているジカ熱に関する緊急委員会をスイス・ジュネーブで開催した。あわせて同日、声明をWHOのホームページにて公開し、妊婦に流行地域への渡航を自粛するなどの行動を促した。

ジカウイルスによるジカ熱は、主に蚊や性交渉を通じて感染する。厚生労働省によると、感染すると熱や発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠(けんたい)感、頭痛などの症状が出て、2~7日続いた後に治まるという。

感染症状自体は軽度だが、ジカウイルス感染後のギラン・バレー症候群(手足のまひなどを伴う病気)発症や、ジカウイルス流行地域での小頭症の新生児増加などが報告されており、関連性が示唆されている。

委員会は同日、ジカウイルス感染の先天性異常や神経疾患に関する症例対照研究とコホート研究などを報告。WHOはこれを受けて、声明にて最終的な結論のためには今後も証拠を集める必要性があるとしたうえで、「ジカウイルスと小頭症やギラン・バレー症候群との関連性を示す証拠は増えている」と記している。

委員会はジカ熱を取り囲む現状を鑑み、出産可能な年齢の女性に対しては注意がなされるべきだとし、特に妊婦に対してはリスク低減のため、必要な情報や資料などが与えられるべきだと指摘している。

そのため、「妊娠中の女性へ継続的なジカウイルスの流行エリアに移動しないよう、助言する必要がある」と勧告。さらに、「ジカウイルス流行エリアに在住、ないしは渡航するパートナーを持つ妊婦は、安全な性交渉を確保するか妊娠中は性交渉を控えるべきだ」としている。

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