100点以上のプラスアルファを
――菅田さんを見ていると、本当にいろんな役、いろんな座組に呼ばれる人だと思います。そういう、呼ばれることに対して、何かアプローチはしていますか?
もちろん、リピーターの人を増やすっていうのはこの仕事の宿命なので、意識はします。最近は「新しい菅田くんを出したい」と言ってくださった方がいらして、それを聞いて、「もう古い菅田将暉がいるんだ」と(笑)。うれしくもあり、複雑だなとも思いました。頑張りどころですよね。でも「こういうことをやってほしい」とか、「菅田くんに新しくかけ合わせるものを考えた」って言われるとうれしいです。
――『ピンクとグレー』の行定さんとの仕事ではいかがでしたか? 釜山映画祭で行定監督が菅田さんのことを、「『GO』のときの窪塚洋介さんを彷彿させる」とも言われてましたが。
あれはうれしかったですね。窪塚さんは、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を当時21歳の最年少で受賞していらして、僕もちょうど20歳であの場所(2014年 新人俳優賞)に立ちましたが、あの年齢で、主演として賞の真ん中に立つって相当なパワーだと思って、刺激を受けました。パイオニアだと思うので、比較してもらえるのはうれしいです。
行定監督は撮影現場では、自分を試してくれる人でした。僕もやるなら100点以上を目指したいタイプですが、行定監督も100点以上のプラスアルファを期待してくれる方だったので、それがすごく楽しかったですね。
性質は表裏一体
――菅田さんの話は、すごく興味深いのですが、そういう考え方を形作ったものはなんなんですか?
もしかすると両親の影響かもしれないです。父はすごく頭の回転が速くてロジカルな人なで、母親は感覚的で天然な人。その2人の血を受け継いでいるということは感じます。
――演技をする上でも、そういう感覚は役に立ちますか?
今回の映画でも、二面性というか多面性が出てきますけれど、性質って表裏一体ですよね。究極のMが究極のSにつながってるみたいなもので、突き詰めると裏返ることもある。僕は理屈っぽくて、理解しないと何事もできない方ではありますが、それと同じくらい衝動的な部分もあります。お芝居でも、頭で考えすぎたなって思うと、衝動でやってみたり、衝動的になりすぎたら理屈を加えるということもあります。正解はないものなんで、好きにやっています。
――最後に、この映画で好きなシーンはどこでしょうか。
初めて"ごっち"と"りばちゃん"が共演するシーンですね。そこで"りばちゃん"は"ごっち"に無視され、泣いてしまう。ト書きには泣くとは書いていなかったんですけど、20歳そこそこで泣いてしまうという、一番ダサいことをやるのがいいんじゃないかと思って、自分のアイデアが採用されたシーンなので、印象に残っています。それに、あのシーンは、1回目に見るのと、2回目に見るのでは違うものに見えると思いますので、ぜひ2回は観ていただきたいです。
西森路代
ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トークラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。




