落語家の立川談春が24日、東京・国立演芸場で行われたTBS系年末ドラマ特別企画『赤めだか』(12月28日21:00~23:25)の完成披露特別試写会に、ビートたけし、嵐の二宮和也らと登壇した。
立川談春のベストセラー『赤めだか』を原作とする同ドラマは、2011年11月21日にこの世を去った落語家・立川談志の人となりを弟子・談春の目線で描いた師弟愛物語。試写会では、上映終了後に、談志役のビートたけし、談春役の二宮和也、談春の弟弟子・立川志らく役の濱田岳、兄弟子・立川関西役の宮川大輔、立川談々役の北村有起哉、ナビゲーター役の笑福亭鶴瓶、そして立川談春が登場し、客席から歓声と拍手が起こった。
談春は、国立演芸場ができたのは昭和58年で、二宮が生まれたのも昭和58年だと説明した上で、「この会場で『キャー!!』って聞こえたのは初めて」と感激。そして、ドラマ化の一番の原動力は「間違いなく鶴瓶師匠」だと言い、「鶴瓶師匠の意図を組んでタカハタ(秀太)監督が5年も6年も頑張ってくださった結果。この日を迎えられて感慨もひとしお。ありがとうございます」と感謝した。"原動力"だったという鶴瓶は「嫁はんが『これいいわ!』と言うから見たら、飛行機の中で声を出して泣いた」と原作との出会いを明かし、「その時に、ドラマや映画にするなら談志は兄さん(たけし)、談春はニノかなと思っていた」と告白。談春は「鶴瓶師匠が『映像にしなきゃダメだ』と言わなかったら、『お願いします!』って頼んでないと思う」と語った。
また、たけしが「談志さんは鬼才」とたたえ、「あまりにも落語が好きすぎて、客に愛されることを乗り越えて、落語をもう1回教え直す人になった。真打ちの人たちが新しいネタも勉強しないし、寄席にただ出てポピュラーなネタをやって帰ってくることに、あの人(談志)…落語の持っている芸事の歌舞伎から講釈からあらゆるものを勉強してやろうという人にはたまらなかったんではないか。だから弟子にもきつかったし、あらゆるものを弟子がやらなきゃ二ツ目も何もない、と言っていたあの人の気持ちがよくわかった」と熱弁すると、談春は「たけしさんがおっしゃっていただいたことがあまりにも幸せで、必死に涙をこらえる外村(『下町ロケット』で談春が演じた役)の顔になっています」と笑いを交えて感激を伝えた。
そして、「最後にたけしさんが談志を称してくれたこと。なんで弟子にあんなに勉強しなさいと言ってたかという本当の意味を、僕ら弟子は意外に談志から聞いていません。それを亡くなって4年たって、北野武を通じて、談志が今なら言える伝えたいことを言ってもらったこの時間を本当に幸せに思います」と喜びを爆発させた。
最後に、「鶴瓶師匠が、落語家はこういう人種なんだっていうことを残しておかないとダメだから。その作品として『赤めだか』を選ぶから、お前頑張れって言ってくれたこと、本当に感謝しています」とあらためて鶴瓶に感謝。「打倒!『下町ロケット』」と力強く宣言すると、笑いと拍手に包まれた。