横浜美術館(神奈川県横浜市)では2016年1月30日~4月3日、展覧会「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」が開催される。

横浜美術館で「村上隆とスーパーフラット・コレクション」開催(Photo: Kentaro Hirao)

同展では、アーティスト・村上隆氏の現代美術を中心とするコレクションを初めて大規模に紹介する。同氏は、東京藝術大学にて日本画初の博士号を取得。現代美術と日本の伝統絵画、ハイカルチャーとポップカルチャー、東洋と西洋を交差させた一連の作品で世界的に評価され、海外の著名な美術館で数々の個展を開催してきた。

また、アーティストとしての創作活動の一方で、キュレーターやギャラリスト、プロデューサーなど多岐にわたる活動も展開している。特に近年は独自の審美眼と美意識で国内外のさまざなな美術品を積極的に蒐集し続けており、そのコレクションは現代美術を中心として、日本をはじめとするアジアの骨董やヨーロッパのアンティーク、現代陶芸や民俗資料にまで及ぶという。

同展覧会の名前にも使われている「スーパーフラット」とは、村上隆氏にとって、平面性や装飾性といった造形的な意味のみに限定されるのではなく、時代やジャンル、既存のヒエラルキーから解放された個々の作品の並列性、枠組みを超えた活動そのものを示しているとのこと。

同展での展示物は、5,000点以上に及ぶ村上隆氏のコレクションから選ばれた作品・オブジェ群約400点。地域や流派といった既存のカテゴリーを取り払い、感覚的あるいは機械的にそれらを並列することで「スーパーフラット・コレクション」の意味について考える展示となる。

美術館エントランスの大空間、グランドギャラリーは、「彫刻の庭」として大型彫刻やインスタレーションが林立するスペースとなる。資本主義と芸術の拮抗、欲望と芸術の関係が不確定なものに金銭を出すという行為について問いかける。アンゼルム・キーファーやマウリツィオ・カテラン、奈良美智らの作品を展示予定。

アンゼルム・キーファー 《メルカバ》2010年 (C)Anselm Kiefer. Courtesy Gagosian Gallery, Photo by Charles Duprat

奈良美智《ハートに火をつけて》2001年 (C)Yoshitomo Nara, Courtesy of the artist

展示コーナーのひとつ「日本・用・美」では、日本を中心とする東洋陶磁や近代陶芸の優品、江戸期の絵画や史料類が整然と陳列される。生活の中の日本美、その淵源のひとつとしてのヨーロッパの雑器まで、美の根源を探索する村上隆のまなざしをたどる展示となる。曾我蕭白や白隠慧鶴、北大路魯山人の作品、縄文土器、李朝陶磁器などを展示する。

曾我蕭白《定家・寂蓮・西行図屏風》 江戸中期

白隠慧鶴《いつみても達磨》 江戸中期

北大路魯山人《織部 四方鉢》 昭和時代

「村上隆の脳内世界」は、グラフィティ絵画からアンティーク家具、陶製のビールジョッキやペタンクの玉まで、ありとあらゆるものがカオティックに展示された「玉石混交」かつ「ノーロジック」な世界として展開。村上隆の脳内を覗くような不思議な体験ができる空間となる。

「スタディルーム&ファクトリー」は、美術教育、歴史、価値の創造(あるいは捏造)、価値の成立(メカニズム)、労働と対価について、参加型の作品や映像インスタレーション作品を通して考察する展示空間で、デイヴィッド・シュリグリーやミカ・ロッテンバーグの作品を展示予定。

また、村上隆氏のコレクションの主要な柱である1950年代から現在までの国内外のアート作品をほぼ制作年に沿って機械的に展示する「1950-2015」も展開する。戦後から今日にいたるまでの同展示スペースの時間枠は、1962年生まれの同氏が生きてきた時間でもあり、これらの作品を通じて同氏の原体験や若き日に受けた影響、既存の美術の流れとは異なる村上独自の美術史の文脈についても考える空間となる。ヘンリー・ダーガーやアンディ・ウォーホル、篠山紀信、フリードリッヒ・クナス、フランク・ベンソンらの作品を展示予定となっている。

フリードリッヒ・クナス《スターライト・ウォーカー(星明りの散歩)》2011年 (C)the artist, Photo Ben Westoby, Courtesy White Cube

フランク・ベンソン《ジュリアナ》2015年 Courtesy of the artist

なお、同館の開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)で、2016年2月11日を除く木曜日は休館となる。チケット料金は、当日一般で1,500円(税込)。2016年1月29日までは前売り券の販売も行う。詳細は公式サイトにて公開されている。