いすゞ自動車は11月8日まで東京ビッグサイトで開催中の「第44回東京モーターショー2015」に、フルモデルチェンジした新型「ギガ」を出展している。次世代トラックのあるべき姿を見据え、5つの視点で性能を磨き上げたという。

東京モーターショーで世界初公開されたいすゞ「ギガ Gカーゴ」

同社は「Always Next To You -暮らしのそばで、『運ぶ』は未来へ。-」をテーマに7台の車両を展示。戦後の大型トラックの先駆けとなったTX80型5トン積みトラック(1948年製)がブース最前列に置かれ、そこから70年の歴史を経て新型「ギガ」に至るレイアウトとなっている。「強力」「快適」「経済性」の3点で好評を博したTX80型トラックの基本ポリシーが、最新モデルまで連綿と受け継がれてきたことを表現している。

今回、「ギガ」シリーズの主力となる単車系(6UZI型エンジン搭載車)がフルモデルチェンジ。「快適な運転環境の実現」「省燃費の追求」「トータルセーフティの追求」「高積載の確保」「情報通信による遠隔サポート」の5つの視点から性能を磨き上げた。フロントフェイスは機能美を追求し、新空力骨格キャブで空気抵抗を低減させるなど、使い勝手と経済性能が両立した外観に。車内はセミラウンドインパネを採用し、スイッチ類をメーター・インパネ周りに集約することで、運転操作性を向上させた。

データ通信とインターネットが融合し、車両データを遠隔で解析する「MIMAMORI」を標準搭載したことも特徴。運転状況をもとに、エコドライブ指導などに有益なさまざまなサービスをリアルタイムで提供するほか、インターネットを介して車両コンディションも容易に確認可能となる。「MIMAMORI」で入手した情報を活用し、稼働を止めないための車両点検や予防整備につなげる高度な稼働サポートシステム「PREISM」も展開していく。

エンジン本体も改良され、卓越したパワーと優れた燃費性能を実現。進化した自動式変速トランスミッション「Smoother-Gx」により、スムーサーのシフトショックを低減し、よりなめらかな発進を可能とした。移動障害物に対する衝突回避支援機能を追加したプリクラッシュブレーキや車線逸脱警報(LDWS)を採用するなど、トータルセーフティも追求している。フルモデルチェンジによる重量増も最低限に抑制した。新型「ギガ」の価格は2,341万6,560円。目標販売台数は年間8,000台とのこと。

東京モーターショーの会場に展示されたのは「ギガ Gカーゴ」。世界初公開となった同車は全長11,950mm・全幅2,495mm・全高3,790mmで、最高出力380PSを発揮する。同車の運転席をひと目見ようと、来場者による長い列ができており、新型「ギガ」への関心の高さをうかがわせた。いすゞブースではその他にも、今年8月にフルモデルチェンジしたノンステップバスの新型「エルガ」、海外向けピックアップトラック「D-MAX X-SERIES Hi-Lander 4-door」などの車両が展示されている。

「ギガ Gカーゴ」

(写真左から)TX80型5トン積みトラック、「D-MAX X-SERIES Hi-Lander 4-door」、新型「エルガ」