東京都は28日、2015年9月に実施した特別相談「多重債務110番」の結果を発表した。それによると、1人当たりの平均債務額は1,166万円となり、2015年3月の832万円から334万円増加した。

借入れ理由、「低収入・収入の減少」が最多

東京都と23区26市1町は、東京三弁護士会、東京司法書士会、日本司法支援センター(法テラス)などの法律専門相談窓口等と連携して、2015年9月7、8日に「多重債務110番」を実施。その結果、特別相談期間中の相談件数は全体で206件に上った。

このうち、東京都消費生活総合センターで受け付けた93件を分析したところ、相談者の平均年齢は53.5歳で、前回より3.1歳上昇した。最年長は82歳(女性)、最年少は27歳(男性)。最も多い年代は50歳代で30.1%、次は60歳代で22.6%となった。

1人当たりの平均債務額は1,166万円、最高債務額は1億6,000万円。債務額別にみると、「100万円~300万円未満」が31.2%で最多、以下、「1,000万円以上」が25.8%、「300万円~500万円未満」が15.1%と続いた。東京都消費生活総合センターは「今回は債務額1億6,000万円と高額の相談が1件あったため、平均債務額が押し上げられた」と説明している。

債務の状況(出典:東京都Webサイト)

借入先については、4社から借りている人が16人でトップ。最多借入先数は14社だった。借入れ理由を聞くと、1位は「低収入・収入の減少」の52.7%で前回より12.2ポイント増加。また2位の「住宅ローン」も20.4%と同7.7ポイント増えた。